他競技との競争の中を強いられているメジャーリーグ。その中で抜本的な改革を繰り返してきたマンフレッド氏は、進化の歩みを止め…

他競技との競争の中を強いられているメジャーリーグ。その中で抜本的な改革を繰り返してきたマンフレッド氏は、進化の歩みを止めようとはしない(C)Getty Images

 メジャーリーグは変わるのか、それともヨタ話か。米スポーツ専門サイト『The Athletic』は、MLBのコミッショナーを務めるロブ・マンフレッド氏による驚きのリーグ改革案を伝えた。

【動画】「あれは低すぎる」ヤンキースファンも同情した大谷翔平へのストライク判定の映像

 これはニューヨークのラジオ局『WFAN』の取材に応じたマンフレッド氏が発信したものだ。現地時間1月8日に「我々はシーズンを分けることについて話し合った。シーズン中に別のトーナメントを行うことも議論している」と語ったという。

「162試合は長いということも理解している。シーズン中にイベントを組み込む難しさから、必然的にレギュラーシーズンの試合数は減っていくと思う」

 別のトーナメントを開催するなどした場合、現在の162試合制となっているレギュラーシーズンの削減は避けられないとの見通しも重ねて示した。

 この重鎮の言葉を伝えた『The Athletic』が一例として挙げたのが、プロバスケットボールNBAで行われている「NBAカップ」だ。

 NBAは2023-24シーズンから同カップ戦を導入。毎年11月から12月にかけて、シーズンが佳境を迎えるプロアメリカンフットボールのNFLに視聴者や世間の関心を奪われていることへの対策として企画された。

 そのフォーマットは、ヨーロッパサッカーで実施されているトーナメント戦をモデルとしている。5チームずつによる6グループのグループステージを戦い、勝ち抜いた8チームがトーナメントでチャンピオンシップを競う。ちなみに今季はニックスがNBAカップ王者となった。

 いわゆるカップ戦をレギュラーシーズン中に行う、という点がミソだろう。日本でもかつてペナントレース開幕直前に12球団プロ野球トーナメントなどが行われた時代もあった。とはいえ、プレシーズンのオープン戦興行的な扱いで、Jリーグのリーグカップにあたるルヴァン杯などとは趣が異なった。

 また、マンフレッド氏は、球団数拡張(エクスパンション)の可能性として、現在の30球団に2球団をプラスする32球団制とするプランも掲げた。それにより地理的に4球団ずつの8地区制を敷くことを視野に入れているという。

「地理的な考えで再調整すれば、選手たちの移動負担を大幅に軽減できる。移動を減らせば負担も減り、健康と安全面でプラスだ」

 さらにポストシーズンのスケジュールもその恩恵を受けると付け加えた。

 常々29年1月の退任を表明してきた同コミッショナーは、これまでもリプレー検証の導入やピッチクロック、極端な内野シフトやワンポイント継投の禁止など、さまざまな改革を重ねてきた。今季からはチャレンジ制でのロボット審判も導入される。野球の在り方を変えるような見直しに、オールドファンからは「野球の魅力、醍醐味を損ねている」と厳しい批判も受け続けている。

 無論、今回の新トーナメント新設や新地区制も、将来的な導入も見据えた「観測気球」的な発言である可能性は高い。だが、マンフレッド氏は、他プロスポーツと競い合う立場として改革の手は止めないつもりだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】野球人気の課題となる「サッカーの壁」 大谷翔平、WBCも虚しい“現状”を米メディアが検証「問題は他のスポーツとの競争だ」

【関連記事】オオタニは打てない――元米スカウトが証言した大谷翔平への“レッテル” 覆った“高校レベル”の前評判「打てる選手と見てなかった」

【関連記事】「高校生レベル」と揶揄された大谷翔平 “進化”の舞台裏をMLB通算703HRの伝説打者が告白「彼はど真ん中も打ち損じていた」