ワールドカップイヤーが始まった。すでに日本代表の三笘薫が「完全復活」を印象づけるゴールを決めるなど朗報が飛び込んできて…

 ワールドカップイヤーが始まった。すでに日本代表三笘薫が「完全復活」を印象づけるゴールを決めるなど朗報が飛び込んできているが、そのサムライブルーが目標として掲げているのは、ワールドカップ優勝。サッカージャーナリスト大住良之は、そのための「ラストピース」を、若き日本代表の戦いの中に見いだした!

■包囲網を突破した三笘薫の「決定力」

 イングランドのプレミアリーグでブライトン&ホーヴ・アルビオンの三笘薫が見事なゴールを決め、強豪マンチェスター・シティとのアウェイゲームを1-1の引き分けに持ちこんだ。

 本当に素晴らしいゴールだった。1点ビハインドで迎えた後半15分、ブライトンは右サイドでボールを保持し、スウェーデン代表の若手MFヤシン・アヤリが左にパスを送ると、ペナルティーエリアの左外でフリーの三笘に渡る。シティのDFラインは素早くスライドして対応し、MF陣も帰陣してペナルティーエリア内には6人。アッという間に4人が三笘に対応する。

 三笘の背後から外側をブライトンの左サイドバック、マキシム・デカイペルが抜いていく。シティの右サイドバック、マテウス・ヌネスがそれに対応するが、シティはMFフィル・フォーデンも戻ってきて「三笘包囲網」を強化する。この状況で三笘にシュートチャンスがあるようには見えなかった。

 右足での最初のコントロールは少し浮いたが、それを左足で素早く修正し、右足でゴールに向かって小さくボールを動かして相手を引きつけ、さらに右足アウトで急激に右に持ち出してシティMFベルナルド・シルバを外すと、三笘は鋭く右足を振り抜いた。

 シルバをカバーしたシティMFニコ・ゴンサレスはゴールの左側を消すポジション。それを見抜いてのゴール右隅への低いシュートだ。何人もの選手の間を抜けてきたボールに、さすがのシティGKジャンルイジ・ドンナルンマも反応がわずかに遅れ、懸命にセーブしようとしたものの、指先をかすめてゴールに吸い込まれた。4人、5人の包囲網をものともしないビューティフルゴール。故障で昨年後半を棒に振った三笘の完全復活を印象づける、見事な「決定力」だった。

■若い日本代表も「アジア杯」で躍動

 その数時間前、サウジアラビアのジッダでは、三笘の後を追う日本の若い世代が躍動した。AFC U-23アジアカップ。2年ごとに開催され、オリンピック年の大会はオリンピック予選も兼ねるこの大会。日本は、この大会が誕生したとき(2014年第1回大会)からの方針どおり、次回、2028年に行われるオリンピック予選となる大会の制限年齢のチームを送り込んだ。今大会の出場資格は「2003年以降の生まれ」である。それを、次大会の資格である「2005年以降生まれ」の選手で構成されるチームで臨んだのである。

 1月の大会のため、大半が20歳である。なかには2007年生まれの選手も含まれている。大会の初戦、シリア戦でゴールを守り、落ち着いたプレーを見せたGK荒木琉偉(ガンバ大阪)は、2007年10月14日生まれ、2か月前に18歳になったばかりの「高校3年生」である。

■ベストとは「言い難い」チームで

 さらに、今回「U-23日本代表」という名目でサウジアラビアに送り込まれたチームは、この年代、すなわち正確に言えば「U-21日本代表」のベストチームとは言い難い。ケガで招集できなかったGKピサノアレクサンドレ堀尾(名古屋グランパス)だけではない。U-23の大会としてクラブに放出義務がないため、すでに欧州のクラブでプレーしている選手、あるいはこの冬に欧州への移籍が進められている選手も招集できなかったのだ。

 ベルギーの名門アンデルレヒトからシントトロイデンにレンタルされ、今季前半の「ベルギー・リーグベスト11」候補に上がるほどの活躍を見せて日本代表にも招集されたFW後藤啓介、スウェーデンのユールゴーデンで活躍、1月にドイツ・ブンデスリーガのアイントラハト・フランクルフルトに移籍したDF小杉啓太、オランダのナイメヘンで評価を高めているFW塩貝健人などとともに、昨年水戸ホーリーホックをJ1に昇格させる原動力となったMF齋藤俊輔は、現在欧州クラブへの移籍準備中とのことで招集を見送られた。

いま一番読まれている記事を読む