2026年3歳牝馬クラシック桜花賞、オークスを制す馬は?(後編)GI阪神ジュベナイルフィリーズを制して2歳女王に輝いたス…
2026年3歳牝馬クラシック
桜花賞、オークスを制す馬は?(後編)
GI阪神ジュベナイルフィリーズを制して2歳女王に輝いたスターアニス
photo by Eiichi Yamane/AFLO
前編
人気テレビドラマの影響もあって、盛り上がりを見せる競馬界。まず注目されるのは、今年も3歳クラシックであることは間違いない。そこで、識者5人に春の牝馬クラシック、GI桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)、GIオークス(5月24日/東京・芝2400m)それぞれの勝ち馬を、年明け早々に予想してもらった――。
小田哲也記者(スポーツニッポン)
◆桜花賞=スターアニス(牝3歳/父ドレフォン)
◆オークス=ゴディアーモ(牝3歳/父リオンディーズ)
GI阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。12月14日/阪神・芝1600m)において、スターアニスの個人的な印は△と押さえ止まりの評価でした。その反省を込めて、桜花賞候補には同馬を推します。
阪神JFは、前走のGⅢ中京2歳S(8月31日/中京・芝1400m)から1ハロン距離が延びて、初の阪神でしたが、文句なしの内容でした。中団で折り合って、正攻法の競馬で直線では外に回して、追い出すのを待つ余裕まであって、ライバルたちをねじ伏せる横綱相撲の競馬で快勝しました。
スプリント色が濃かった母エピセアロームの先入観が強すぎて、個人的にはマイル戦への懸念がありました。しかし勝ち時計は、2023年のアスコリピチェーノに並ぶ1分32秒6というレースレコードタイをマーク。この時計でもう一度、桜花賞を走れば、まず凡走はありません。
体をしっかりと使えて、大きなフォームで走れるのが一番の長所。阪神JFで放牧明けでも結果を出せたので、仮に本番まで直行となっても問題ないでしょう。このまま無事に春を迎えられれば、桜花賞での死角は少ないと見ています。
オークスでは、美浦・森一誠厩舎の1勝馬ゴディアーモに期待しています。
1番人気に推された昨年末の新馬戦(12月6日/中山・芝2000m)を見て、センスの高さを感じました。スタートがよく、早々に仕掛けてきた他馬に合わせて3コーナーで先頭に立って、そのまま押しきりました。
ゴール前では鞍上のクリストフ・ルメール騎手が流す余裕を見せて、ラスト1ハロンのタイムが11秒2。道中でも物見しながら、全体時計は2分1秒1と優秀でした。使い出しが2000m戦ですから、桜より樫向き、ということでしょう。
血統的にも、父リオンディーズは産駒の活躍から説明不要。オープンでも奮闘した母パルティアーモは、東京・芝2400mの3勝クラス・早春S1着、リステッド競走のメトロポリタンS2着と、東京の長丁場のレースを得意としていました。
ゴディアーモ自身は初戦の馬体重が426kgと小柄ですが、強靭なバネがあって、その走りはいい意味で軽いです。東京のGIで躍動する姿を、ぜひ見たいと思っています。
木村拓人記者(デイリー馬三郎)
◆桜花賞=スターアニス
◆オークス=ギャラボーグ(牝3歳/父ロードカナロア)
スターアニスは1200m戦でキャリアをスタートさせ、徐々に距離を延ばしながら阪神JFで初のマイルを克服。見事に2歳女王の座に輝きました。スプリント路線で活躍した母に父ドレフォンという配合は、一見すると距離の限界を感じさせますが、現状マイルまでは高いパフォーマンスを発揮できることを証明したと言えます。
阪神JFでは力を出しきれなかった馬もいましたが、レース自体は序盤から極端にラップが緩むことなく、スピードに加え、持続力も問われるタフな一戦でした。そこで、中団からきっちり抜け出した内容は「強い」のひと言。マイル以下なら頭ひとつ抜けており、桜花賞の最右翼です。
一方のオークスでは、未勝利勝ちから阪神JFに挑んで2着に入ったギャラボーグに注目しています。
全兄にGINHKマイルC(東京・芝1600m)の覇者ダノンスコーピオンがいる血統背景から"マイラー"のイメージが先行していますが、脚が長く、ゆったりと歩く姿からは、さらなる距離延長への適性がうかがえます。課題は折り合い面ですが、これまでのレースを見る限り、現状ではコントロールできる範囲内にあると踏んでいます。
一気の相手強化となった阪神JFの結果からしても、秘めた資質は相当に高いはず。気性面の落ちつきを保つことができれば、オークスでは最右翼の存在として大きな期待がかかります。
土屋真光氏(フリーライター)
◆桜花賞=アランカール(牝3歳/父エピファネイア)
◆オークス=ドリームコア(牝3歳/父キズナ)
1番人気に推された阪神JFは、チグハグな競馬となってしまったアランカール。それからすれば、むしろよく5着に来たな、という内容でした。勝ったスターアニスとは、道中のスムーズさの差が出ただけ、と見ています。
2戦目のオープン特別・野路菊S(9月20日/阪神・芝1600m)では、着差以上の大楽勝。阪神JFよりもペースが落ちついていた分、この馬のキレが生きました。
母シンハライトがオークスを勝っていることから、血統的にはオークス向きに見えるかもしれませんが、個人的にはシンハライトのオークス戴冠は絶対能力の差で勝ったもの。真骨頂はマイル~1800m戦でこそ、発揮されていたと思います。
エピファネイア産駒が過去に桜花賞を2勝しているのも強調材料。もちろん、オークスでも期待を持てますが、まずは桜花賞での巻き返しが見込まれます。
オークスでは、ノームコアの仔であるドリームコアに注目しています。
母ノームコアは、1600m~2000m戦で活躍。重賞5勝、うちGI2勝という実績馬です。その妹、ドリームコアにとっては叔母にあたるクロノジェネシスは、2000m~2500m戦のGIを4勝。オークスでも3着と好走しています。
ドリームコアはここまで、マイル戦を3戦して2勝、3着1回。2勝はいずれも東京コースでした。前走の1勝クラス・ベゴニア賞(11月30日/東京・芝1600m)では、正直まだ身が入っていない印象でしたが、この世代の東京・芝マイルでのベストタイムをマークして勝利。走り自体も、コテコテのマイラーのそれではありませんでした。
今後はどこかで賞金を加算してクラシックへ向かうと思われますが、桜花賞はやや忙しく感じられ、オークス向きのイメージ。母の父がハービンジャーで、同馬の血は昨年2着、一昨年1着とオークスとの相性がよく、一発への期待が膨らみます。