世界一への道を見据えた。NPB新人選手研修会が9日、都内で行われ、12球団の新人選手ら119人が参加。ロッテのドラフト1…

世界一への道を見据えた。NPB新人選手研修会が9日、都内で行われ、12球団の新人選手ら119人が参加。ロッテのドラフト1位ルーキー石垣元気投手(18=健大高崎)は野球殿堂博物館で目にした展示を前に、U18高校日本代表として臨んだ昨年9月の世界大会決勝の悔しさがよみがえった。高校球界をけん引してきた右腕は雪辱を期し、プロでの歩みをスタートさせる。

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野球殿堂博物館の一角に、U18高校日本代表の記念写真が展示されていた。石垣元は代表でも同僚だったロッテ3位奥村頼人投手(18=横浜)とともに、そこにサインを入れた。笑顔で写ってはいるが、苦い記憶もよみがえってきた。

U18W杯、米国との決勝戦。1点を追う4回に2番手で登板するも、5回に1点の追加を許した。連覇を目指し挑んだ一戦で大会唯一の敗戦を味わい、頂点に届かなかった。あの悔しさは今も消えていない。「WBCのメンバーに入って、U18で負けたアメリカにリベンジしたいという思いはあります」。言葉には決意がにじんでいた。

その決意を実現するには、同世代のライバルたちにも勝たないといけない。他球団の新人たちと時間を共有し「(阪神1位の)立石選手とかテレビで見ていた選手が多かったのですごい」と明かしたが、「ピッチャーと野手では違うと思うんですけど、負けたくないって気持ちはもちろんあります」と闘志を燃やした。

侍ジャパン入りで世界一の夢の先には、偉大な先人の領域がある。博物館では、ロッテの監督を務めた金田正一さんのユニホームが飾れられたディスプレーにも足を止めた。現役生活20年での成績が刻まれており、思わず目を丸くした。通算400勝の金字塔に「あんなに投げるの、すごいなと思いました」と素直に驚き、「刺激にはなったんですけど、あそこまで投げられるかはわからないかなと思います」と苦笑い。それでも将来的には「最多勝」や「沢村賞」奪取を目標に掲げる右腕は「勝ちにはこだわりを持ってやっていきたい」と力を込めた。

研修を終え「殿堂入りしたいか」と問われると「はい。頑張りたいです」と即答した。「自分の目標は1年目から1軍で投げることなので、そこに向かってひたむきに頑張っていこうと思ってます」。最速158キロの直球を武器に高校2年時にセンバツ優勝。日本一、プロ入りの夢もかなえたが、まだ達成できていない夢がある。よみがえった悔しさを、プロで晴らすつもりだ。【星夏穂】

◆U18W杯での石垣元 中継ぎで3試合に登板し計7回1/3を自責1。決勝の米国戦は0-1の4回途中から登板。5回に3四死球で1死満塁から左犠飛で2点目を許し、チームは0-2で敗れた。それでも、大会では158キロを計測し、登板した投手の中で最速を記録した。

◆野球殿堂 1959年(昭34)創設。日本野球の発展に大きく貢献した人たちの功績をたたえ、顕彰する。競技者表彰(プレーヤー部門と、指導者も対象となるエキスパート部門)と、審判員やアマチュア関係者らを対象とする特別表彰がある。選出はいずれも投票で75%以上の得票が必要。殿堂入りした人は東京ドームにある野球殿堂博物館にレリーフ(ブロンズ製胸像額)が飾られる。

○…石垣元は研修会で講師を務めた阪神、オリックスOB能見篤史氏の言葉を心に刻んだ。「切り替えが一番大事と言ってたので大事にしたい」。高校時代からメンタルの切り替えは「めっちゃ得意です」と自信はある。打たれた直後だけでなく「悪かった日の夜とか、次の日とかに切り替えることが大事」と意識している。

◆石垣元気(いしがき・げんき)2007年(平19)8月16日生まれ、北海道登別市出身。小1時に柏木ジュニアーズで野球を始め、中学時代は洞爺湖シニアでプレー。健大高崎では1年春からベンチ入りし、4季連続で甲子園出場。24年春に佐藤龍月との2年生コンビで優勝に貢献。25年ドラフトで2球団の1位指名を受け、ロッテ入団。今季推定年俸1600万円。180センチ、78キロ。右投げ両打ち。