ドジャースが大谷 翔平と山本 由伸を擁し、日本市場で圧倒的な存在感を高める中、サンフランシスコ・ジャイアンツは韓国訪問と…

ドジャースが大谷 翔平と山本 由伸を擁し、日本市場で圧倒的な存在感を高める中、サンフランシスコ・ジャイアンツは韓国訪問という異例の一手を選んだ。その中心にいるのが、韓国を代表する李 政厚外野手(イ・ジョンフ)だ。

 米スポーツメディア「ジ・アスレチック」が最近報じたところによると、今回のジャイアンツの韓国訪問は、明確な戦略的判断に基づく動きとみられる。日本市場がすでにドジャースを軸に固まりつつある状況の中で、ジャイアンツは李政厚を軸に、韓国での存在感拡大を図ろうとしているという。

 ジャイアンツは6~7日にかけて、17人の選手団とともに韓国を訪問。韓国の伝統文化体験、高校野球選手を対象とした野球クリニック、現地メディアやMLB Koreaとのインタビューなど、密度の高い日程をこなした。

 同メディアは、「ドジャースが大谷と山本を獲得したことで、ジャイアンツが日本で影響力を構築することは、はるかに難しくなった」と分析。さらに、「ドジャー・スタジアムは日本企業の広告であふれ、旅行会社とのパートナーシップによって莫大な収益を上げている。数千人の日本人ファンが球場ツアーやバックステージプログラムに高額な費用を支払っている」と伝えた。それとは対照的に、韓国市場では、まだ特定のメジャーリーグ球団が圧倒的な支配力を築いているわけではないという。

 続けて同メディアは、「韓国市場で日本のような熱狂を期待するのは難しい。李政厚を含め、いかなる選手であっても、大谷がドジャースにもたらしたような世界的インパクトを一気に生み出すことは容易ではない。しかし、ジャイアンツが韓国の野球ファンと長期的な関係を築きたいのであれば、今以上に適したタイミングはない」と指摘した。

 実際、サンフランシスコにおける李政厚の存在感は大きい。ルーキーイヤーの昨季は肩の脱臼により戦線離脱を余儀なくされたものの、すでに多くのファンの支持を集めている。スタンドでは彼のユニフォームを着たファンの姿が目立ち、球団は「Jung Hoo Crew」と名付けた特別シートも販売した。

 ジャイアンツの最高マーケティング責任者(CMO)は、「大谷のような存在ではないが、李政厚は韓国で非常に愛され、広く知られている選手だ。彼がチームの中心選手としてプレーしている今こそ、ジャイアンツを韓国に紹介する最も誠実な方法だと考えた」と、今回の訪問の意義を語った。

 ジャイアンツは、将来的な韓国での開幕戦開催についても前向きな姿勢を示している。球団は7日、韓国メディアの取材に対し、「MLBワールドツアーが再び韓国で開催されるのであれば、ぜひ参加したい」との意向を明らかにした。ジャイアンツは2023年にメキシコシティで試合を行ったが、アジアでのレギュラーシーズン開催はまだ実現していない。

 球団関係者は、「李政厚を応援し、韓国のファンと直接交流できることをうれしく思う。ジャイアンツがアジアで意味のある役割を担うチームになることを願っており、今回の訪問はその重要な一環だ」と説明した。

 ドジャースが日本のMLB市場で話題性をほぼ独占している中、ジャイアンツは李政厚という“架け橋”を通じ、韓国という新たな市場で突破口を見いだそうとしている。その戦略的選択が、今回の韓国訪問だったとみられる。