イタリア・ローマで開催されている「BNLイタリア国際」(5月9~15日/賞金総額239万9000ユーロ/クレーコート)の女子シングルス準々決勝で、土居美咲(ミキハウス/45位)がイリナ カメリア・ベグ(ルーマニア/35位)に2-6 6-…

 イタリア・ローマで開催されている「BNLイタリア国際」(5月9~15日/賞金総額239万9000ユーロ/クレーコート)の女子シングルス準々決勝で、土居美咲(ミキハウス/45位)がイリナ カメリア・ベグ(ルーマニア/35位)に2-6 6-7(3)で敗れた。  勝ったベグは14日に行われる準決勝で、第1シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ/1位)と対戦する。セレナは、第9シードのスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア/19位)を6-2 6-0で下している。    ◇   ◇   ◇

 第1セットの土居は、断続的にいい攻撃のショットを放ちながらも、対ルーシー・サファロバ(チェコ)戦などと比べるとミスが早く、安定したストロークを見せたベグが6-2で取る。

 「ベグは打つボールがいやらしく、深くバックの高いところに打ってきて、高い球を打たされたりしていたので、そこでミスも増えてしまった。またそのせいで、なかなか自分の得意な展開にもっていけず、それがすごくやりづらかった」と土居は振り返る。  しかし第2セットが進むにつれ、様相は徐々に変わっていく。土居は次第によりいいリズムでストロークを打ち込み始め、2-1からベグのサービスをブレーク。しかし、ベグも次のゲームでブレークバックし返し、競り合いはこのセットを通して続くことになる。

 4-3から迎えたベグのサービスは、特に崩す好機に見えた。サービスのトスに煩わされ、ベグは目に見えてナーバスになっていたが、オンラインのボールがオーバーコールされる不運もあって、土居は2度ブレークポイントを握りながらも、それをものにすることができず。

 もつれ込んだタイブレークでは、ミスを減らし、大事なところで強気に出たベグが、苦しみながらもこれを7-3で制し、1時間46分の戦いに終止符が打たれた。

 イリナ カメリア・ベグ

 「(第2セット)相手の気持ちがダウンしているのは見てとれたし、かなり大きなチャンスがあったところで、セカンドセットを取りきれなかったのが、すごく残念。あそこで昨日のような逆転をしてセカンドセットを取っていれば、ファイナルセットではかなり(勝てる)チャンスが大きかったと思う」と、土居は悔しがった。  しかし、この進撃を通して得たものも大きかった。土居はこの大会を通し得た手応え、また課題について、「これは今回に限ったことではないが、フォアハンドを使った戦い方は通用する、攻撃できているな、と感じるので、そこは継続していくべきところ。課題は、全体的に細かいところを修正していくということになるが、特に今日の試合で言ったら、バックの処理の仕方だったり、サービスキープの仕方だったり、レベルを少しずつ上げていければ、私の武器であるフォアも活かせると思う。全体的にレベルアップを目指したい」と説明する。  WTAプレミア5でベスト8入りという今回の結果を振り返り、「負けは悔しいですけど、大会自体としては、いいプレーができたし、ビッグな選手に勝つことができたり、自信のつく大会だった。次につながる、フレンチ・オープンに向けてすごくいい大会になったと思う」と話した。

【女子シングルス準決勝】※[ ]数字はシード順位

セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)[1] vs イリナ カメリア・ベグ(ルーマニア)

ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)[3] vs マディソン・キーズ(アメリカ)

(テニスマガジン/ライター◎木村かや子、構成◎編集部)