専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第130回 連載第126回(※10月19日配信『ラウンド中の、恥ずかしいトラブルショットあるある』)では、ゴルフのプレー中にやらかしてしまったことの”あるある…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第130回

 連載第126回(※10月19日配信『ラウンド中の、恥ずかしいトラブルショットあるある』)では、ゴルフのプレー中にやらかしてしまったことの”あるある”を取り上げましたが、今回は場外乱闘と申しましょうか、プレー以外でやらかしてしまったトラブルや事故などの”あるある”ネタについて、紹介していきたいと思います。

 言っておきますが、野原で我慢し切れずに”大”をしてしまった話は、これまでも書きすぎているので、ナシにします。それに、ここ3年はやっていませんし……って、3年前はやっていたのかよぉ~。

 最近、やっちまったというか、「やられた」というのが宅配便での”トラブル”です。

 10月に入ってから、大手の宅配便業者が基本運賃の値上げを断行。そのうえで、キャディーバッグ(ゴルフバッグ)については適用サイズも引き上げて、これまでの120サイズから140サイズで対応することとなり、東京から関東圏の往復料金が2400円台から3300円台へ、およそ3割もの値上げとなったのです。

 これだけのお金を取るなら、サービスは拡充すると思うでしょ? しかし、それは逆になりました。受け取りの時間指定において、午前中の配達希望の場合は、今まで9時から12時だったのに、現在は11時からとなって、午前中はほぼ全滅状態に。じゃあ、11時から12時の間で配達を頼んだら、午後になって13時を過ぎても配達にこなかったのです。

 仕方がないので、スマホで検索してドライバーさんに直接電話を入れると、「(その荷物は)私じゃないです。他のドライバーが運んでいます」というじゃないですか。スマホの画面には、現在配達中のドライバーの番号はこれですって、案内されているにもかかわらず、ですよ。

 腑に落ちないながらも、配送センターに連絡するや、しばらくしてさっきのドライバーから折り返しの連絡がきて「すみません……(荷物を)積み忘れていました」って、なんだんねん! 結局、14時になってキャディーバッグを配達してもらいましたけど、どうにも納得いきませんでしたね。

 宅配便関連は、遅延はもちろんのこと、ゴルフクラブが折れていたなど、トラブルが多いです。そういうときの補償も、中古価格で査定したクラブの代金が支払われるだけ。新品のクラブが戻ってくることは、まずありません。

 キャディーバッグと言えば、ゴルフ場でキャディーバッグを運んでいる運搬カートに友人が轢(ひ)かれた事件がありました。

 そのゴルフ場では、クラブハウス周りを亀より遅いぐらいの運搬カートがBGM『エリーゼのために』を響かせながら動いていました。友人は、ちょうどその通り道にいたんでしょうね。立ち話に夢中になっていたところを、ガンッとぶつけられたそうです。

 あんな遅いカートを避けられないって、どんな運動神経をしているのやら? そう言って笑ったら、その友人は「すごく痛かった」と怒っていました。

 さらに、某コースでの出来事です。コースの練習グリーンでパターを打っていると、ドカーンとすごい衝撃音が聞こえてきました。なんだなんだと音のしたほうに行ってみるや、玄関前で交通事故が……。近くには人が倒れていました。

 ある車がすごいスピードで玄関前のロータリーに入ってきて、止まっていた車にぶつかったのです。「ひどいねぇ」と近くにいたキャディーさんに言うと、「○○さんは、いつもそうなの。すごいスピードで玄関前に入ってくるから、毎回ハラハラしていたのよ」だって。

 おいおい、それじゃあ、事故は起こるべくして起きたんじゃないか!? いやぁ~、世の中には”怖いメンバー”さんがいるもんですね。世間が注目している危険運転を何年も前から実践しているなんて……。そういう人は「出入り禁止」にしてほしいです。

 ぶつかると言えば、これはプレー中の話になってしまいますが、打ったボールが人に当たる事件も多発しています。ちょっと前にも、飛んできたボールが目に当たって視覚障害になり、裁判沙汰になっているというニュースがありました。

 最近はセルフプレーが多いのですが、隣のコースに打ち込んでも「ファー」と大声を出さないビギナーが多いです。だから、ボールが当たるんだと、結構問題になっています。

 以前、同伴プレーヤーが隣のコースに打ち込んで人に当ててしまい、すごく怒られました。そのとき、私も「ファー」と叫べばよかったのですが、てっきりそこは林だと思っていたのです。林らしきところのその先に、まさかコースがあるなんて思いもしませんでした。そういうレイアウトには、ぜんぜん見えなかったんですよね。

 ボールが当たった人は、どうも背中を直撃されたようでした。コースがあることがわかってすぐに謝りにいくと、「声をかけてくれたら(ボールを)避けられたのに……」とさんざん嫌味を言われました。こちらが悪いのですから、もう我々はペコペコしまくりでした。

 結局、大事には至らなかったのでよかったのですが、これに懲(こ)りて、それ以降は林に囲まれていて隣にコースがないように見えても、ボールが曲がったら「ファー」と言うようにしています。ほんと、人に当たったら大変なことになりますから、みなさんもそうした心がけは必要だと思いますよ。

 ただ最近は、ボールの行方を見分ける、その瞬間判断能力が低下していて参っています。歳は取りたくないですね……。

 あと、あまりラウンドをしないゴルファーの方はトラブルが多いです。

 以前、久しぶりにゴルフをやる方とご一緒して、ボールを打つと体がクルクルと回転するんですが、結果いいボールが飛んでいたのには驚かされました。なんで、そんなに体が回るのかと聞いたら、シューズの底を見せてもらってびっくり。靴底が半分はがれていて、いい按配に足が回るようになっていたのです。

 こりゃ面白いわと喜んでいたのですが、後半に入って疲れてきたのか、その方が思い切り振ったあと、きれいに1回転して転んでしまったのです。そして、なんと勢い余って階段の縁(ふち)にヒザをぶつけて出血。結局、そこでリタイアすることになってしまいました。

 あれから、自分もラウンドするたびに自らの靴底を確認。はがれていないかチェックしてゴルフをするようにしています。

 案外、ゴルフ場って気を抜くと危険な目にあうことがあります。ボールは飛んでくるし、ハチやブヨなどに襲われるし、ヘビにも遭遇するし、雷が落ちてくることもあります。「たいしたことない」なんて思っていると、大きな事故や事件に発展することも……。



楽しくラウンドするために、事故やトラブルにはくれぐれも気をつけてください

 かつて、ゴルフのあとに体全体がかゆくなって、服を脱いだら全身に赤い湿疹みたいなものが出まくっていました。これは、じんま疹だと思ってすぐに病院に行きました。

 そうして、診察室に入って半裸になると、先生は私に向かって「この湿疹は外的な炎症に見えるんだよね。ちょっとパンツをめくって見せて」って、言うわけです。もしや先生はそっち側の人かと一瞬たじろいだのですが、しぶしぶ私はパンツを半分ずり下げました。

 そうしたら、先生は「やっぱりね。パンツの中には湿疹は出ていないね。これはたぶん、毛虫だよ」というではないですか。続いて、先生は「今日、どこかで毛虫に会いそうな場所に行った?」と聞いてきたので、「ゴルフかなぁ」と答えました。

 先生は頷くと、「たぶん木の下あたりにいて、襟もとから毛虫が入ったんじゃない」と言いました。私はそう言われて、妙に納得してしまいました。思い返してみれば、そのコースには藤棚があって、いい眺めだったので、しばらくその下で座っていました。そのとき、毛虫が落ちてきたのかも。

 あ~、これが毛虫じゃなくて、超進化した蜘蛛だったら、オレはスパイダーマンになれたのにぃ~……って、悔しがるところはそこですか。相変わらず、能天気なことですね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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