新日本プロレスの1・4東京ドーム大会で引退した棚橋弘至社長が「社長」としての第二の人生がスタートした。 引退試合翌日と…
新日本プロレスの1・4東京ドーム大会で引退した棚橋弘至社長が「社長」としての第二の人生がスタートした。
引退試合翌日となる5日の大田区総合体育館ではスーツ姿で来場しグッズ販売コーナーでファンと交流するなど精力的に動き、6日には都内の新日本プロレス事務所で記者会見し1・19&1・20後楽園ホール大会、2・11大阪大会などの主要対戦カードを発表した。
これまで記者会見での次期シリーズの主要対戦カード発表は、菅林直樹会長が行ってきたが今後は棚橋社長が担当することが明らかになった。
リングを去っても記者会見に出席する棚橋社長の姿を動画配信サイト「新日本プロレスワールド」などで見られることはファンにとってうれしい限りだろう。
さらに私は、ひとつ提案したい。
それは、棚橋社長によるIWGPヘビー級選手権での「タイトルマッチ宣言」復活だ。
ベルトをかけた「選手権試合」であることを認定する「タイトルマッチ宣言」は、古くは昭和30年代、力道山時代の日本プロレスで日本プロ・レスリングコミッショナーを務めた自民党の大野伴睦副総裁がリング上で「認定証」を読み上げ、新日本プロレスではアントニオ猪木さんが全盛期の昭和50年代には新日本のコミッショナーを務めた自民党幹事長などを歴任した二階堂進氏ら主に大物政治家が務めてきた。
さらに1990年代には、坂口征二社長(当時)が「認定証」を読み上げ、その後、山本小鉄氏らIWGP実行委員が担当した。タイトルマッチを直前に控えた「宣言」は、いずれも特別な一戦であることを観客に訴え、試合にある種の格調を与えていたと思う。
また、坂口氏や小鉄氏ら往年の名レスラーのリング登場は、長年、プロレスを愛し続けてきたファンにとって、その姿を見られることは、ボーナスをもらったような高揚感もあった。
プロレス界の伝統だった「タイトルマッチ宣言」は、私が調べた限り新日本プロレスの「IWGPヘビー級選手権」では、2009年1・4東京ドームの「武藤敬司 vs 棚橋弘至」戦からなくなったと思う。
今回の1・4東京ドームでのKONOSUKE TAKESHITAと辻陽太によるIWGP世界ヘビー級&IWGP GLOBALヘビー級の統一戦もそうだったように現在では、リングインした王者がレフェリーにベルトを渡し、そのまま試合がスタートしている。
入場から試合開始のゴングまで一気に進行するスムーズな運営を重視するなど様々な理由はあったと思うが、棚橋社長の引退を機に最高峰となる「IWGPヘビー級選手権」でのタイトルマッチ宣言を復活させて欲しい。
26年に渡り新日本プロレスを支え、IWGPヘビー級王座を史上最多の8度、戴冠した棚橋社長が「認定証」を読み上げることで最高峰タイトルの伝統の深さをファンに訴え、さらなる重みと輝きが増すはずだ。そして、何よりも棚橋社長がリングインすることで会場に足を運んだファンへの最高のサービスになると思う。また、本部席で立会人として「IWGPヘビー級選手権」を見つめ、試合後に勝者へ社長自らがベルトを贈呈すれば、その光景そのものが新日本プロレスの過去から未来を託す「今」をファンは目撃できる。
そのためには、現在、委員長が不在となっている「IWGP実行委員会」で棚橋社長が委員長に就任することが必要になるだろう。
ただ、6日の記者会見でIWGP「二冠王」となった辻が棚橋社長に直訴し「IWGPヘビー級王座」復活と「IWGPインターコンチネンタル王座」封印が認められた。これほどの重要事は、本来なら「IWGP実行委員会」での協議、認可を得るべきだが社長裁定での決定は、事実上、棚橋社長がIWGP実行委員長に就任したと同じ意味だと私は捉えた。
IWGP二冠王の辻は、新日本プロレス54年の歴史と伝統を背負い未来の扉を開ける覚悟で「IWGP世界ヘビー級王座」を解体し「IWGPヘビー級王座」を復活させた。同じように伝統を継承し未来へ光を照らすためにも「タイトルマッチ宣言」の復活を棚橋社長と新日本プロレスにはぜひ、検討してもらいたい。
(福留 崇広)