井上に内容で圧倒され、完敗したピカソ(C)Getty Images 勇猛果敢に挑んだ若きメキシカンは、“怪物”に圧倒的な…

井上に内容で圧倒され、完敗したピカソ(C)Getty Images

 勇猛果敢に挑んだ若きメキシカンは、“怪物”に圧倒的な実力差を突きつけられた。

 去る現地時間12月27日、サウジアラビアの首都リヤドで行われたボクシングの興行「NIGHT OF THE SAMURAI」で、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、WBC世界同級2位アラン・ピカソ(メキシコ)に3-0と判定勝ち。119-109、120-108、117-111の大差で年間4度目となる防衛した。

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 終わってみれば、下馬評通りの結果だった。メキシコ国内でも「できることは何もない」(名物トレーナーのナチョ・ベリスタイン氏談)とも論じられた井上とのタイトルマッチに、「僕が失うものは何もない」と挑んだピカソは、フルラウンドこそ戦い抜いたが、有効打数では158発も上回られるなど内容で圧倒された。

 勝者となった井上は試合後に「納得のいく内容ではなかった」と吐露。そうしたコメントも敗者との力量差、あるいは格の違いを物語るようであった。

 では、ここまでの“差”を生む要因は何だったのか。メキシコ・メディア『Izquierdazo』のインタビューに応じたピカソは、「僕らは違う戦い方をしていたとしても、おそらく同じ結果になっていた。正直言って、完全に打ち負けた」と回想。そして、リングで体感させられた“モンスター”の凄みを打ち明けている。

「これまでに僕はナオヤよりも強いパンチをベネズエラ人から受けたことがあった。それは正直なところだ。でも、スピード面では、僕が対戦した中で最速だった。動きやリズムの変化といった技術面でも、やっぱりナオヤは最高だったんだ」

 攻防の最中で「いい感触を得た瞬間もあったんだ」というピカソだが、「だけど、僕のパンチは当たっていたけど、ナオヤに全くと言っていいほど効いていなかったし、動かせもしなかった」と証言。自身の長所であるリーチを利した攻撃が吸収される展開に畏怖の念すら抱いたという。

「序盤にもうちょっと打ち合いをしに行っていれば、展開は変わっていたかもしれない。だけど、そうなると、より大きな危険にさらされる可能性もあった。とにかくリズムを見つけるのに必死になった。本当にナオヤからは多くを学んだよ。

 そして、彼の試合も観る必要があると思った。なぜなら、彼が繰り出すパンチは、僕たちが慣れ親しんでいるものとは全く違ったんだ。もしかしたら、そこから何かを吸収して、僕たちのスタイルに取り入れるかもしれない。良いことも悪いことも……とにかく、あらゆるものから僕は学ぶ必要があると感じた」

 狙っていたKO勝利を果たせず、井上陣営が反省交じりに振り返ったサウジ決戦。しかし、その12ラウンドは挑戦者にあまりに大きな爪痕を残していた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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