起死回生の一発で一躍時の人となったロハス(C)Getty Images まさに起死回生の一打だった。昨季のワールドシリー…

起死回生の一発で一躍時の人となったロハス(C)Getty Images

 まさに起死回生の一打だった。昨季のワールドシリーズ第7戦で、値千金の同点弾を放ったミゲル・ロハス(ドジャース)のそれだ。

 百戦錬磨のベテランが土俵際で意地を見せたのは、ドジャースが3-4とリードされた9回一死無塁で迎えた打席だった。対峙したのは、ブルージェイズの守護神ジェフ・ホフマン。凡退すれば、勝機は薄れ、本拠地での戴冠を狙う相手に流れが一気に傾く局面である。

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 この時、ロハスはただただ好球を待ち続けていたという。現地時間1月2日に元メジャーリーガーのモー・ヴォーン氏がホストを務めるポッドキャスト番組『MVP』に出演した36歳は、「抜けるような変化球よりもゾーンに来る速球を待っていた」と告白するように、一振りに渾身の力を込めようとしていた。

 そしてフルカウントからの6球目、「速球のタイミングで打ちに行った」という甘く入った変化球(スライダー)をロハスは強振。強いインパクトと共に高々と舞い上がった打球はあっという間に左翼フェンスを越え、値千金の同点ホームランとなった。

 世界一連覇の立役者となったロハスは、「俺の後ろにはショウヘイ(大谷翔平)がいた。だから、彼らは俺を歩かせたくはないと思うはずだ。だからフルカウントになったら打たせようと多少甘くなると考えていた」と、打席内での心境を回想している。

「あの場面で自分がピッチャーならロハスと勝負をする。なぜならショウヘイが後ろにいて、それ以降もウィル・スミスやフレディ・フリーマンみたいな殿堂入りをするような選手が控えているからね。でも、速球に合わせていたからこそ強く引っ張れたんだと思う」

 打った直後に頭が真っ白になったというロハスは、「すごい瞬間だったと我ながら思う。ホームランを打ったと気づいたのは、二、三塁間を回った時だった」とダイアモンドを一周する間の記憶を語った。

「時間が止まったような感覚があったんだ。なんというか『俺、かなりクレイジーなことをやったんじゃないか』ってね。咄嗟にスタンドにいた妻を探したよ。彼女は俺に『あなたはホームランを打つわ』と言ってくれていた人だから。でも、ベンチに戻ってからはすぐにスイッチが切り替わった。俺は自分に『いいか、リラックスだ。まだプレーは続くんだ』と言い聞かせたよ」

 ドジャース史上初のワールドシリーズ連覇をもたらしたロハス。彼の経験に裏打ちされたスイングは、文字通り歴史を変えた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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