神奈川のホームランアーチストが、夢だった大相撲の世界に飛び込む。白山時代は4番打者を務め、高校通算11本塁打を誇る柳沢仁…
神奈川のホームランアーチストが、夢だった大相撲の世界に飛び込む。白山時代は4番打者を務め、高校通算11本塁打を誇る柳沢仁利(3年)が、大島部屋の力士として初場所(11日初日、東京・両国国技館)でデビューを果たす。元前頭旭大星の大串拓也氏から紹介を受けて入門。相撲界への道を作ってくれた兄貴分のしこ名の1字を受け継ぎ「旭轟星(きょくごうせい)」の名で初土俵を踏む。
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神奈川のスラッガーは、新たな活躍の場を見いだした。元関脇旭天鵬が師匠を務める大島部屋に入門した柳沢は「野球は長くやっていたので慣れているところがありますが、相撲は1年目で思った通りにいかないところがある。できないことがいっぱいあって難しいですけど、それがまた楽しくて」と声を弾ませた。176センチ、124キロの恵まれた体格を武器にし、相撲にのめり込んでいる。
白山では大関経験者の御嶽海と顔が似ていると言われるソフトバンク山川の打法を参考にしながら、大柄な体格を生かして長打を量産。ベンチ入りを果たした1年秋からレギュラーをつかみ4番に定着すると、より高く、より遠くに飛ばすことを意識して11本塁打をマークした。最後の夏は3回戦で敗れたが「野球はやりきった」と完全燃焼を遂げ、次の道として選んだのが相撲だった。
きっかけはYouTubeだ。往年の名力士たちの取組動画をチェックしているうちに視聴が止まらず、気がつけば1時間、2時間と見漁った。「本場所も気になりましたが、当時は野球の練習でリアルタイムでは見られなくて。ABEMAで欠かさず見ていました」と振り返り、高2の夏ごろには卒業後の進路を相撲一本に絞った。元幕内旭大星の大串さんにSNSを通じて連絡を取り「旭大星さんのように未経験からでも幕内で取れるようになりたい」と大島部屋を選んだ。
目指す力士像は、かつて白山で指揮を執った村田浩明氏(現・横浜監督)に倣う。「『愛されるチームを目指そう』と言っていたのを覚えています。人間性も高めながら『愛される力士』になりたい」と力強く宣言。内臓検査の結果を待ち初場所初日に合格者が発表され、合格すれば通常3日目から前相撲を取る。念願の初土俵が刻々と近づいてきた。【平山連】
◆前相撲とは 新弟子検査に合格した力士らが取る相撲のこと。通常は本場所の3日目から行われる。先に3勝した力士から抜けていき、抜けた順に翌場所の番付の序列が上位となる。本場所8日目には前相撲を取った新弟子による新序出世披露が行われる。