【島田明宏(作家)=コラム『熱視点』】 あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。 正月、…

【島田明宏(作家)=コラム『熱視点』】

 あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 正月、久しぶりに風邪をひいた。昼間から寝込んだのは、コロナにかかった2023年の安田記念のあと以来、2年半ぶりだ。今回、PCR検査は陰性で、インフルエンザの検査は医師の判断で行われなかった。3日ほどで症状が落ち着いたので、おそらくただの風邪だろう。

 さて、1月6日、火曜日にJRA賞の受賞馬が発表され、フォーエバーヤングが年度代表馬に選出された。その年にJRAの競馬場でレースをしなかった馬としては1999年のエルコンドルパサー以来26年ぶり2頭目で、一年を通じてダートでしか走らなかった馬としては史上初の受賞である。

 記者投票の合計248票のうち226票と、約91パーセントを集めた。牡牝混合のJRA・GIを2勝したミュージアムマイルやジャンタルマンタルにもう少し票が流れると思っていたのだが、大差がついた。文句なしの受賞、と言っていいだろう。

 満票で選出されたのは最優秀マイラーのジャンタルマンタルと、最優秀障害馬のエコロデュエルだけだった。前者は春秋の古馬マイルGIを勝ち、後者は春秋のJ・GIを制したのだから当然として、最優秀2歳牝馬は「該当馬なし」が1票あったため、スターアニスは満票にはならなかった。最優秀スプリンターに至っては、「該当馬なし」が8票もある。

 相対評価で一番だと思う馬に票を投じればいいように思うのだが、記者の裁量に委ねられているのだから、ここでとやかく言ってもどうにもならない。それ以上に解せないのは、JRAのサイトで見られる「記者投票の結果」に「非公開」というのがあることだ。「原則公開」で、記者が「非公開」を選べるらしいが、全員が「非公開」を選んだら、公開する意味がなくなってしまう。投票結果を公開するのなら、「必ず公開」にすべきではないか。「非公開」は「匿名」と変わらない、と私は思う。

 フォーエバーヤングに話を戻すと、同馬は、現地4日に発表されたアメリカのエクリプス賞の最優秀ダート古牡馬の最終候補3頭にも入っている。年度代表馬の最終候補の発表は同22日に行われ、その他の部門と併せて受賞馬も発表される予定だ。同一年に日米で年度代表馬獲得という歴史的快挙となるか、楽しみである。

 JRA賞で意外だったのは、最優秀障害騎手賞だ。「勝利度数」「勝率」「獲得賞金」「騎乗回数」の4部門のポイントで受賞者が決まるシステムで、各部門の上位5人に上から5、4、3、2、1ポイントが与えられる。今年度は4部門すべてで2位だった小牧加矢太騎手が4部門×4ポイントの計16ポイントを獲得して受賞した。「勝利度数」「勝率」「獲得賞金」の3部門で1位だった高田潤騎手は3部門×5ポイントの計15ポイント。「騎乗回数」ではランク外で0ポイントだったため、小牧騎手に1ポイント及ばず、2位となった。以下に高田騎手と小牧騎手の2025年の成績を書き出してみる。

「勝利度数」 高田騎手20勝 小牧騎手12勝
「勝率」 高田騎手2割9分4厘 小牧騎手1割2分4厘
「獲得賞金」 高田騎手4億2902万円 小牧騎手3億8916万円
「騎乗回数」 高田騎手68回 小牧騎手97回

 上の3部門では高田騎手が大きくリードしており、「騎乗回数」が少ないといってもそれほど差があるわけではない。彼こそ受賞にふさわしいようにも思われるのだが、前述したように、合計のポイントでは小牧騎手のほうが上になった。

 これは主観の入る余地のないポイント制だから仕方がないことなのだが、個人的には、1位と2位のポイントにもっと差をつけて、「1位の重み」が増す形にしたほうがいいように思う。が、レースの賞金を見てもわかるように、日本は「準優勝」も高く評価するので、1位(1着)と2位(2着)との差は欧米ほど大きくなっていない。ここは日本なのだから、現行のルールが「日本的」なのは当たり前だと受け入れるほかないのか。

 なお、このポイントの詳細は高田騎手のポストで知った。彼が書いているように、すべてで2位になった小牧騎手も素晴らしいし、また、ポイントについてMVJ同様JRAサイトに掲載したほうがいいと思う。

 今年は60年周期で巡ってくる「丙午(ひのえうま)」だ。前の丙午の1966年は、桜花賞で、モーリスの4代母メジロボサツが1番人気になり、テンポイントの母ワカクモが勝つなど、現代につながる競馬史のドラマが見られた年だった。

 2026年もエキサイティングな競馬が見られ、みなさまにとって実り多き一年になりますように。