第102回箱根駅伝(1月2、3日)で往路、復路、総合のトリプル新記録で史上初の同一チーム2度目の3連覇(計9度目)を達…
第102回箱根駅伝(1月2、3日)で往路、復路、総合のトリプル新記録で史上初の同一チーム2度目の3連覇(計9度目)を達成した青学大が8日、東京・渋谷区青山キャンパスのガウチャー記念礼拝堂前で優勝報告会を開催した。
直近の12年で優勝9回。原晋監督(58)は、大会公式記録に「監督」が明記された1964年の第40回大会以降では、日体大の岡野章監督を抜き、史上最多となった。今大会に向けて「輝け大作戦」を発令した原監督は「皆さん、輝けましたでしょうか?」と呼びかけると、昼休みに集まった多くの学生から大きな拍手が沸き起こった。
5区で1時間7分16秒の驚異的な区間新記録をマークし「シン山の神」&「4代目・山の神」を襲名したエースでキャプテンの黒田朝日(4年)は「シン山の神の黒田です」と笑顔であいさつ。「往路は苦しい戦いになりましたが、ぎりぎりで追いつける差でタスキをつないでくれました。100%の力を発揮できました。応援、ありがとうございました」と同じ青学大の学生に感謝した。
今季のチームテーマは「王者の挑戦~俺が青学を勝たせる~」。黒田朝日は「4連覇、5連覇と王者の挑戦は続きます」と後輩たちへの期待を込めて話した。
今季の青学大には勝ちたい理由があった。現4年生と同期生の皆渡星七(みなわたり・せな)さん(当時3年)が昨年2月に悪性リンパ腫のため、21歳の若さで亡くなった。前回の箱根駅伝直前、闘病中の入院先からミーティングにリモートで参加し、チームメートを励ました。今大会では黒田朝日らは足や腕に皆渡さんの名前を示す「★7」のマークを書き込み、力走した。8区で区間新記録をマークして3年連続区間賞を獲得した塩出翔太(4年)は「皆渡にいい報告ができました」と実感を込めて話した。
原監督は4年生の選手、マネジャー計14人に卒業旅行をプレゼントを公言。2月28日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で開催される祝勝会の一般ファン向け入場券(1万5000円)が5日から発売されたが、7日までに早くも完売した。
華やかな表舞台の裏では、第103回箱根駅伝(来年1月2、3日)に向けて、地味にスタートを切っている。
激闘から4日目の7日。午前5時45分に東京・町田市の選手寮から走って5分の公園に集合。この日の町田市の日の出時間は午前6時52分。気温3度。時折、粉雪も舞う真っ暗な中、朝練習がスタート。原監督は「また、新しい1年が始まりました。箱根駅伝に出場した選手はさらに力をつける。出場できなかった選手は出場を目指す」とゲキを飛ばした。
全員でストレッチ、体幹トレーニングを行った後、箱根駅伝に出場した10人は各自で調整。それ以外の選手は設定されたコースを各自のペースで約10キロ走った。原監督はコースに立ち、鋭い目つきで選手の動きを観察した。
4年生も引き継ぎなどため、2月上旬まで選手寮に残り、同じ生活を送る。主将の黒田朝日は「また、1年が新しく始まりました。今週末に試合がある人はそれに合わせてやっていきましょう」と呼びかけた。その表情は、笑顔の優勝報告会とは対照的に厳しく引き締まっていた。
箱根駅伝出場を目指して練習を積んできたが、惜しくもメンバーから外れた選手らは大舞台から8日後に行われる東京ニューイヤーハーフマラソン(11日、東京・北区)に「箱根駅伝11区」として出場する。その1週間後の全国都道府県対抗男子駅伝(18日、広島)には黒田朝日が岡山県代表、9区区間賞の佐藤有一(4年)が東京都代表などで出場予定。日の出前の暗い中、青学大の選手は、フレッシュグリーンのタスキではなく、交通安全のための反射材のタスキをかけて黙々と走り続けた。