台鋼ホークスの劉東洋GMは日本語が堪能 2024年に1軍に参入した台湾プロ野球(CPBL)の新興球団、台鋼ホークス。チー…
台鋼ホークスの劉東洋GMは日本語が堪能
2024年に1軍に参入した台湾プロ野球(CPBL)の新興球団、台鋼ホークス。チームには日本のプロ野球で実績を持つ選手も多く在籍しており、日本の野球ファンにも親しみやすい存在となっている。チームを率いる劉東洋GMは流暢な日本語で取材に応じ、「いやいや、まだまだですよ」と笑う。その日本語力の裏には、学生時代からの努力と、野球への深い愛情があった。
劉GMは関西大学大学院に留学経験がある。日本語を学び始めたきっかけは、日本のプロ野球への興味だった。語学教室に通うなど独学で学んでいたが、より深く理解したいと、日本への留学を決意した。
「ちょうど郭泰源さんや郭源治さんが日本のプロ野球で活躍していた時期でした。台湾でも日本のプロ野球がすごく人気があって、日本の新聞や雑誌を読んでいました。漢字はなんとなくわかるのですが、もっと詳しい内容まで理解したい。書いてある内容は全部知りたいと思いました。『ちょっと中途半端だな。もっと勉強したいな』と思い、大学卒業後の兵役を経て、日本に留学しました」
大学院を卒業後、台湾プロ野球(CPBL)に入社。CPBLオフィシャルブックの製作に携わり、台湾野球だけでなく日本のプロ野球に関する記事も手掛け、言葉と野球の両面で日台を結んできた。
「日本語を生かして野球の仕事ができないか考えていた時、CPBLの雑誌部の募集が出ていたので応募しました。そこから野球の仕事が始まりました。その後は国際部に異動し、NPBとの窓口を担当しました」
プレミア12では世界一に「台湾のプロ野球が進歩している証明」
そんな中、2022年に新球団・台鋼ホークスが誕生。野球界に詳しい人材が必要だとして、CPBLコミッショナーの推薦を受け、初代GMに就任した。台鋼ホークスには、NPBでプレー経験のある呉念庭内野手(元西武)、王柏融外野手(元日本ハム)のほか、日本人コーチも在籍しており、彼らがチームに大きな刺激を与えている。
「新球団ですので、知名度のある選手が必要でした。チームにインパクトのある選手を置くことで、ファンを呼ぶこともできます。呉念庭選手や王柏融選手の存在は大きいです。日本の野球を知っている選手やコーチは、プレーの細かさや準備の丁寧さを理解しています。それを若い選手に伝えてくれるのは、本当に貴重です。特に呉念庭選手は高校時代から日本でプレーしている。日本の野球のいいところを持って帰ってきてくれることに期待しました」
自身の日本での学びと経験を生かし、チームづくりのキーワードに「日台融合」を掲げる。
「プレミア12での優勝は、台湾のプロ野球が進歩している証明です。これからさらに、日本の細かい野球を勉強して、もっと強いチームにしていきたいです」
初代GMとして、日台双方の野球文化を融合させながら台鋼ホークスの礎を築く劉GM。チームの物語は、これからどんどん広がっていく。(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)