第105回全国高校ラグビー大会は7日、大阪・東大阪市花園ラグビー場で決勝があり、桐蔭学園(神奈川第1)が京都成章に36…

 第105回全国高校ラグビー大会は7日、大阪・東大阪市花園ラグビー場で決勝があり、桐蔭学園(神奈川第1)が京都成章に36―15で勝利し、3大会連続6度目の優勝を果たした。3連覇は第89~91回大会の東福岡(第90回は桐蔭学園との両校優勝)に続いて史上6校目。

 準決勝までに大阪勢3校を下した桐蔭学園は、決勝でも屈強なFW陣が接点で優位に立った。5―5の同点で迎えた後半早々に、多彩なパスをつないで2トライを挙げる。後半14分にはSO竹山史人(3年)が相手キックをチャージしてボールを奪ってトライを決め、突き放した。京都成章は鋭いタックルを持ち味に先手をとったが、初優勝に届かなかった。

■常に最悪を想定

 3連覇がかかる桐蔭学園は、後半開始早々に怒濤(どとう)の攻めを見せた。ナンバー8足立佳樹(3年)が、SO竹山史人とのアイコンタクトから、一気にスピードを上げる。

 敵陣の空いたスペースに走り込んでパスを受け、大きく前進。そしてゴール前の密集から足立がボールを持ち出して、勝ち越した。

 「真っ向勝負も必要だけど、スペースにボールをもらいにいく部分は、自分たちの代で考えて伸ばした。強みのラインブレークが体現できた」と足立は振り返る。

 なぜ3連覇できたのか。着実にボールを前に運び、失わない。基礎の徹底はもちろん大きい。そこに、足立の言う「考える」が加わる。

 選手たちは、スポーツ心理学者を交えて繰り返したミーティングの成果を挙げる。最悪の状況を想定し、どう対処するか。決勝でも生きた。

 準決勝までに強豪の大阪勢3校を破ってきた代償は大きく、計6トライの主将でフッカーの堂薗尚悟(3年)が肩を負傷した。決勝前夜、仲間に告げる。「明日出られるかわかんないけど、俺がいない想定をしてくれ」。実際に後半で途中交代した。

 「今までより、いろんな想定が必要になったが、不測の事態でどうするか、考えてきていた」と足立。決勝では今大会で初めて先取点を許したものの、堂薗は「『絶対、先に取られるよ』って言ってきた。みんな、切り替えてできた」。考える力が、手負いの王者を支えた。(土井良典)

 藤原秀之監督(桐) 強豪校との対戦を重ねての3連覇に「本当に『勝った』と言える。苦しんだ1年だった彼らが、こんな歴史を作ると思わなかった」。

■先制も及ばす 初優勝めざした京都成章

 京都成章の司令塔、SO岡元聡志(3年)は、これまで多彩なパス回しで相手をほんろうしてきた。決勝でも、高校日本代表候補の実力を発揮する。

 前半14分、サインプレーから右サイドでボールを受け取ると、相手防御を引きつけてタックルを受ける直前でWTB篠颯太郎(3年)にパス。篠が抜け出して先制トライを決めた。岡元は「少ないチャンスを一発で取り切れた」。

 ただ、チームは後半に入るとミスが目立った。桐蔭学園はほころびを見逃してくれない。岡元は「敵陣でセットプレーの機会が少なく、自分たちのやりたいことができなかった」と悔やむ。

 京都成章の代名詞、複数の選手で前進を阻む「ピラニアタックル」にこだわった3年生を中心とした堅い守りでたどり着いた、5大会ぶりの決勝。岡元は「チームが一つになってここまで来られた。めちゃくちゃ楽しかった」と涙をふいた。(室田賢)

 関崎大輔監督(京) 「選手は頼もしかった。ただ、僕の硬さがうつってしまったかもしれない。相手は何が起こっても動じない強さと徹底力があった」

■大会3連覇以上を達成した学校

第3~7回 5連覇 同志社中(京都)

第81~84回 4連覇 啓光学園(大阪)

第9~11回 3連覇 同志社中(京都)

第13~15回 〃 京城師範(朝鮮)

第27~29回 〃 秋田工(秋田)

第89~91回 〃 東福岡(福岡)

第103~105回 〃 桐蔭学園(神奈川)

※啓光学園は現・常翔啓光学園