奈良県天理市内の学生野球を中心に、カメラのファインダー越しに選手を見守り続ける警察官がいる。思いを乗せた言葉とともにイ…
奈良県天理市内の学生野球を中心に、カメラのファインダー越しに選手を見守り続ける警察官がいる。思いを乗せた言葉とともにインスタグラムに並んだ迫力ある写真の投稿が人気を集め、力作ぞろいの写真展が9日から同市で開催される。
「なぜ、その瞬間を写真に収められるのか?」。よく聞かれる質問に市場一紀さん(52)は戸惑いを見せつつも、「みんなが目で追いかけてしまう瞬間も、とにかくファインダー越しで見てきた」と自負を語る。
テーマは「動かないものを動かす」。動画ではすぐに過ぎる場面が、写真では永遠に残る。あたかも動いて見える、わずかな「一瞬」に狙いを定めてきた。
本業は、奈良県警天理署の警務課長。自慢の体力を武器に、捜査員として現場に立ち続け、地域の安全を守ってきた。
写真にのめり込んだのは、10年ほど前。知人から誘われたのがきっかけだ。以来、休日になれば学生野球の現場へ。撮影した写真を投稿すると、保護者を中心に連絡が来るようになった。
印象に残るのが、天理高校軟式野球部の撮影だ。硬式との認知度の差からか、部員たちからは「俺たちは軟式やから」と遠慮が感じ取れた。それでも、硬式と同じように写真を撮影しては投稿を続けるうちに、選手が感情をむき出しに表現してくれるようになった。「軟式の認知度アップに少しは貢献できたかな」と笑顔を見せる。
写真展は昨年1月に初開催。これまで関わった選手やその保護者らが集まった。「カメラを通じてたくさんの人と知り合い、成長を見られた。それが財産」。当たり前のことを、改めて確認できた場となった。
今月9~11日には再び写真展を開く。業者が印刷した写真を1枚ずつパネルに貼りつけるなど、準備を進める。「去年よりも大きなパネルの展示を増やしたので、ぜひ来てほしい」
写真展は天理市川原城町のギャラリー「Art-Space TARN」で午前10時~午後6時。入場無料。問い合わせはギャラリーを運営する同市文化スポーツ振興課(0743・61・5495)へ。(周毅愷)