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 1月5日、京王アリーナTOKYOで「京王 Jr.ウインターカップ2025-26 2025年度 第6回全国U15バスケットボール選手権大会」が行われた。男子2回戦第1試合で、昨年度王者のRIZINGS徳島はゴッドドア(兵庫県)と対戦し、59-74で敗戦。大会連覇を目標に掲げてきた挑戦は、この一戦で幕を閉じた。

 RIZINGS徳島はエースの平岡泰介を中心に試合を進め、前半はリードを奪って折り返した。しかし後半、ゴッドドアのトランジションとディフェンス強度の前に主導権を握られ、第4クォーターに突き放される展開となった。それでも平岡は27得点14リバウンドを記録。中学生として臨む最後の公式戦で、最後までゴールへ向かい続けた。

「Jr.ウインターの2回戦で当たると聞いて、『絶対倒してやろう』という気持ちで臨んでいました」

 試合後、平岡がメディア対応。直前の練習試合でも敗れていた相手だったからこそ、この一戦に懸ける思いは強かったという。

「足をつったり、着地で足首をミスったりして、もうガタガタで。でもRIZINGS徳島のキャプテンとして、徳島も背負っているし、エースとして最後までやり遂げられたのはよかったと思っています」

 2連覇を目指した今大会は、平岡にとって中学生としての最後の舞台でもあった。中学3年生にして、高校生年代に混じりU16日本代表に選出されたキャリアを持つ。190センチのサイズを備えながら、ゴール下だけでなくアウトサイドやドライブでも得点を重ねるオールラウンダーとして、世代屈指のポテンシャルを示してきた。

 今大会で改めて印象づけたのは、そのサイズ以上に、ひたむきにゴールへ迫る姿勢だった。前半だけで20得点を挙げるなど、得点を担う役割を自覚した上でプレーしていた。

「自分は得点を取るという意識でやっていました。向こうはゲームをコントロールする役割だったと思うので、そこはチームの作戦として、自分は得点に徹しました」

 平岡が「向こう」と表現したマッチアップの相手は、小学生時代から互いを知るゴッドドアの司令塔・吉本拓志。得点で勝負する平岡と、ゲームを動かす吉本。役割の違いが、この試合の構図を際立たせた。

「中学校最後の全国大会で、最後に拓志君と戦えたのは、自分にとっていい経験でした。これでまた、お互いライバルとして強くなれたのかなと思います」

 試合後、コートを離れる場面で、平岡は吉本に短い言葉をかけた。

「絶対、優勝しろよ」

 それは、敗れた悔しさだけでなく、自分の思いをライバルに託した言葉でもあった。

 この一戦は、平岡にとってRIZINGS徳島で過ごした3年間の集大成でもある。中学1年時からJr.ウインターカップの舞台に立ち、初出場時は初戦敗退。その悔しさを原点に、日本一を目指す時間が始まった。

「1年生の時に1回戦で負けて、そこで本当の悔しさを知りました。そこから日本一を取って、今年は2連覇しか考えていなかったので……」

 その言葉には、結果への悔しさと同時に、3年間積み上げてきた時間の重みがにじんでいた。誰よりも声を出し、泥臭いプレーを重ね、エースとして、キャプテンとしてチームを背負ってきた自負がある。

 RIZINGS徳島を率いる十川佳司ヘッドコーチは、平岡の成長を振り返り、最も大きな変化として性格面を挙げる。小学生時代から能力の高さは際立っていた一方で、当初は繊細な一面もあった。しかし身長の成長とともに責任ある立場を経験し、メンタル面で大きく変化したという。

 今大会でも、平岡はオーバーワークになりながら最後までコートに立ち続けた。十川HCは、エースとしての覚悟と責任感を背負わせた上で起用していた。

 平岡自身も、その変化を実感している。

「中1のころに比べたら、メンタルは一番成長したと思います。最初は全国大会ですごく緊張していましたけど、今はその舞台でも、やるべきことを考えられるようになりました」

 RIZINGS徳島での3年間を終え、平岡は次のステージへ進む。高校では司令塔への転向を強く意識している。

「ポイントガードとして、ゲームを支配したり、コントロールできる選手になりたいです。本当はパスを出す方が好きなので、アシストや視野の広さをもっと伸ばしていきたい」

 憧れの存在として名前を挙げるのは、富樫勇樹(千葉ジェッツ)や河村勇輝(シカゴ・ブルズサイズ)。サイズ的にはかなり違うが、シュート力とゲームメークを兼ね備えたガード像を理想に据える。身長は現在も伸び続けており、2メートルに迫ろうとするサイズは、日本バスケットボール界にとっても大きな魅力だ。

「将来は、誰からでも応援される選手になりたいです。そして最後はNBA選手になることが目標です」

 Jr.ウインターカップ2回戦での敗退は、一つの区切りに過ぎない。RIZINGS徳島で積み上げた3年間、ひたむきにゴールへ向かい、責任を背負って戦い続けた経験は、確実に平岡泰介の土台となっている。平岡が持つゲームを支配する能力は、もっと大きく花開くはずだ。

文=入江美紀雄

【動画】平岡泰介が27得点をマークしたゴッドドア戦ハイライト