リーグワーストのチーム打率&総得点アップへ発表「打破(だは)」 西武は5日、埼玉県所沢市内の球団事務所で2026年シーズ…

リーグワーストのチーム打率&総得点アップへ発表「打破(だは)」

 西武は5日、埼玉県所沢市内の球団事務所で2026年シーズンのチームスローガン「打破(だは)」を発表した。そこには、就任2年目を迎えた西口文也監督の得点力アップへの痛切な思いが込められている。

「昨シーズンは“守り勝つ野球”を掲げて戦いましたが、やっぱり守るだけじゃ勝てない、打てなきゃ勝てないことがわかりましたので、今年は打ってほしいという意味を込めました」。西口監督は新スローガンについてこう説明。「打て、ってことです。打って打って、上を目指していきます」と念を押すように付け加えた。「打たなきゃ勝てない。それを前面に出してほしい」という西口監督の要望に沿って、球団が選定した2文字である。

 実際のところ、西武はここ数年“投高打低”の傾向が強い。一昨年(2024年)は12球団ワーストのチーム打率.212、総得点350という記録的な貧打にあえぎ、球団史上ワーストの91敗を喫して最下位に沈んだ。西口監督が就任し、“外様”の鳥越裕介ヘッドコーチ、仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチを招へいした昨年は、シーズン序盤にドラフト2位ルーキーの渡部聖弥外野手や来日1年目のタイラー・ネビン外野手らが活躍し、5月末の時点で首位に2.5ゲーム差の3位という健闘を見せていた。

 しかし夏場の7月、月間チーム打率が.205、月間総得点が44(1試合平均2点)に落ち込むと、月間チーム成績も5勝16敗1分(勝率.238)と急落。結局シーズントータルで63勝77敗3分(勝率.450)。順位は一昨年より1つ上がり5位となったが、3年連続5位以下に終わった。チーム打率.232、総得点410もリーグワーストだった。一方でリーグ3位のチーム防御率2.99と奮闘した投手陣を、援護しきれなかった。

 西口監督としては“得点さえ取れれば、もっと上位へ行けたはず”との思いが強い。「“ここ1本”が出なかった。それが出てくれさえすれば、もっと点が取れると思う。勝負強さを求めていきたい」と強調する。

「ランナー三塁の場面でバッターを信用し過ぎた」と反省も

 今年は自身の采配にも、昨年封印していたスクイズを解禁するなど、バラエティを加えるつもりだ。「昨年はランナー三塁の場面で、打てるだろう、最低でも前には飛ばせるだろうとバッターを信用し過ぎたところがあった。セーフティスクイズを2度ほどやっただけだったので、もっとスクイズだったり、ランナーを動かしたり、そういうこともすればよかった」と反省する。「エンドランやスチールを仕掛ける時に、僕が相手投手の配球を読み違えたこともあった。勉強していかないといけない」とも話す。

 球団も指揮官の要望に応えて今オフ、FAでDeNAから桑原将志外野手、日本ハムから石井一成内野手を補強。FA選手を同一年に2人獲得するのは球団史上初の出来事だ。西口監督は「球団が積極的に動いてくれたので、私自身気が引き締まる。昨年以上に、やってやろうという気持ちでいっぱいです」と表情を引き締めた。

 また、ストロングポイントの投手陣も、エース・今井達也投手がポスティングシステムでアストロズへ移籍するのは戦力的に痛いが、代わりに昨年守護神を務めた平良海馬投手が先発復帰。今井と同じくポスティングでメジャー移籍を目指していた高橋光成投手の一転残留も決まった。

 高橋光は昨年、防御率3.04をマークするも、8勝9敗と2年連続で黒星先行。しかし西口監督は「投球内容は悪くないと思う。(打線が)打って光成を助けてあげることによって勝ち星が増えれば、気持ちも変わってくると思う」とここでも打線の援護に期待する。

 現役時代に西武のエースを張り通算182勝を挙げた投手出身の指揮官が、あえて強く促す打線強化。「やるからには上を目指す。優勝を目指し、チーム一丸となって戦っていきたいと思います」と西口監督はぐんぐんボルテージを上げている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)