ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は4日、ジャンプ週間第3戦を兼ねた個人第14戦がオーストリアのイ…

 ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は4日、ジャンプ週間第3戦を兼ねた個人第14戦がオーストリアのインスブルックで行われ、1回目に131メートルで首位タイだった二階堂蓮(日本ビール)が2回目は128メートルにまとめて合計276.5点でW杯個人戦初勝利を挙げた。ジャンプ週間3連勝を狙ったドメン・プレブツ(スロベニア)は276点で2位。小林陵侑(チームROY)が10位、中村直幹(フライングラボラトリー)が16位、佐藤幸椰(雪印メグミルク)が25位。

 競り合っても崩れない。今季、二階堂蓮が身につけた強さなのだろう。絶好調のプレブツを0.5点上回り、W杯個人96試合目で待望の初勝利。伝統のジャンプ週間で表彰台の真ん中に立ち、「これほどうれしいことはない。天まで飛んでっちゃうんじゃないか」と夢見心地だった。

 1回目は最長の131メートルまで飛距離を伸ばして、自身初めて首位タイで折り返した。これまで大ジャンプを2回そろえるのが課題だったが、この日は約2万1千人の大観衆を前にしても尻込みしない。

 「1位での折り返しは頭の中で何回も思い描いていた。緊張しても楽しんでいる自分がいた」。意識して呼吸することで心を落ち着かせる。天候条件が比較的安定する中、2回目もヒルサイズ(HS)に届く128メートルに着地して逃げ切った。

 確かな技を見せたのは着地だ。HSを越えてもテレマーク姿勢を決めて1回目の飛型点はトップタイの57点。これが小差での勝利につながった。

 「どれだけ飛んでもテレマークを入れられると常に思っている」。淡々とした口ぶりに自信があふれた。

 北海道江別市出身の24歳は昨季までW杯の個人戦で表彰台に上がったことがなかった。それが今季はこの日の勝利で4試合目だ。個人総合ランキングは2位の小林陵侑に次いで3位に浮上した。

 年末年始にかけてドイツとオーストリアで4戦するジャンプ週間はW杯ジャンプより歴史が長く、今季が74回目。そのうち日本人の優勝者は笠谷幸生、葛西紀明、船木和喜、小林陵侑に次いで史上5人目となる。過去4人はいずれも五輪メダリストだ。

 開幕まで1カ月となるミラノ・コルティナ五輪。「また一つ壁を乗り越えた。五輪にむけても貴重な経験」。初代表が確実な大舞台でも、頂点を狙えるジャンパーになった。(インスブルック=笠井正基)

■「自分のことよりうれしい」

 10位の小林陵 今季初めて1桁順位を逃したが、二階堂のW杯初勝利に「自分のことよりうれしかったかもしれない」。

 作山ヘッドコーチ W杯初勝利の二階堂について「最近、大きなミスがなく、それが強さにつながっている」。