「プロレス・新日本」(4日、東京ドーム) 新年恒例の1・4東京ドーム大会が行われ、東京五輪柔道男子100キロ級金メダリ…

 「プロレス・新日本」(4日、東京ドーム)

 新年恒例の1・4東京ドーム大会が行われ、東京五輪柔道男子100キロ級金メダリストのウルフアロン(29)がプロレスデビュー。いきなりNEVER無差別級王座のベルトを懸けて極悪レスラーのEVILに挑み、12分53秒、逆三角絞めで王者を失神させて劇的勝利を飾った。五輪金メダリストの衝撃の初陣にドームは大歓声に包まれた。

 ウルフが柔道着を脱ぎ捨てた。東京ドームが揺れた。サプライズ登場した柔道日本男子代表の鈴木桂治監督(45)が太鼓をたたいた後に現れた五輪王者は、前日までの長髪頭を丸め、上半身裸の黒のショートタイツ姿で花道を歩く。「プロレスラーになると決めた時からデビューの時はボウズ(丸刈り)にしようと考えていた。柔道から転向し、ここから先は柔道着を着て戦うことはないというアピールをしたかった」。金メダリストが裸一貫で踏み出した力強い第一歩に、プロレスファンは酔いしれた。

 覚悟は見た目だけではなかった。ゴング前に奇襲を受けたが、すぐに互角のパワーでエルボーを打ち合うと、タックルで極悪王者を吹っ飛ばした。ブレーンバスター、エルボードロップ、パワースラム、さらに五輪王者カート・アングルの必殺技アングル・スラムとプロレス技が飛び出るたびに会場はどよめきに包まれた。目つぶし攻撃は一本背負いで切り返し、極悪軍団ハウス・オブ・トーチャー(HOT)の介入も受けたが、払い腰、体落としなど本家の柔道技でも蹴散らした。

 驚きは止まらない。コーナー最上段まで上ると、引退する棚橋弘至(49)の必殺技ハイフライフローでウルフが降った。EVILの必殺技EVIL(変型大外刈り)は肩車で切り返すと、すぐに寝技に移行。逆三角絞めでEVILを失神させてレフェリーが止めた。

 いきなり王座戦という超破格の初陣で満点回答をしてみせた超黄金ルーキーに割れんばかりの拍手が注がれた。肩にベルトを掛けた狼は大きく咆哮(ほうこう)。「長い道のりで、23年間やってきた柔道を引退して、今日からやっとプロレスラーになれました。僕のプロレス人生は始まったばかり。もっと高みを目指してやっていきます」。伝説となり得るデビュー戦に超満員の興奮は冷めやらなかった。

 ◇ウルフアロン 1996年2月25日、東京都葛飾区出身。米国人の父と日本人の母を持ち、6歳の時に東京・講道館の春日クラブで柔道を始めた。東海大浦安高時代に団体で高校3冠、個人でインターハイ優勝。2017年世界選手権で優勝し、18年に体重無差別で争う全日本選手権を制覇、さらに21年夏の東京五輪で金メダルを獲得したことで史上8人目となる「柔道3冠」を達成した。24年パリ五輪に出場した後、25年6月に引退し、新日本プロレス入団を発表した。柔道は左組み手で、得意技は大内刈り、内股。趣味は料理。181センチ、116キロ。