<全国高校サッカー選手権:大津1-2流通経大柏>◇4日◇準々決勝◇浦和駒場前回大会準優勝の流通経大柏(千葉)が、高校総体…

<全国高校サッカー選手権:大津1-2流通経大柏>◇4日◇準々決勝◇浦和駒場

前回大会準優勝の流通経大柏(千葉)が、高校総体準優勝の大津(熊本)に2-1で逆転勝ちし、2大会連続のベスト4に駒を進めた。

流通経大柏は、試合中に選手が監督に選手交代を要求する珍しい場面があった。

ハイプレスを信条とする流通経大柏は、ボールを保持される展開で前線が疲弊。終盤にU-17日本代表DFメンディーサイモン友(2年)が榎本雅大監督に前線を代えるようにベンチに求めた。

メンディーは「今日最初に始まる前に(コーチの)山根(巌)さんが今日はFWの2枚が守備しないと絶対にやられるぞと話をもらっていて、(渡辺)瞳也と(金子)琉久も結構前半から頑張ってくれてたんで、後半ちょっと体力が切れてたんで、このままだったらもうやられるなと思った。自分がエノさん(榎本監督)にFWを交換してほしいですと頼みました」と意図を説明した。

チームは後半27分以降に前線の3人を交代。榎本監督もメンディーからの要求をうれしそうにこう振り返った。

「本当に選手たち主体でやらせてますので、そういうところはやっぱ選手の意見、ピッチの中でどういうことが起きてるかは、彼らが一番気づいてる。僕は外からしか見てられないので、選手の助けになれればいいといつも思っています」

指揮官としては「あの2人が効いていたので、できれば代えたくなかった」という判断で前線を残していた。それでも「後ろから見てたら遅れが見えてきたから、FWをちょっとチェンジしてほしい、もうちょっとアグレッシブな選手を入れてほしいみたいなアクションをしてましたね」とピッチ内の声を尊重した。

自身の指導観を象徴するような一場面だった。流通経大柏ではよくある光景だという。

「それは別に悪いことだと思ってない。『いいから、俺の言う通りやっとけ』というのは、まあちょっと時代遅れっていうか。中で選手がどういうことが起きてるの? と。例えば『あいつ痛んでます』とか、『こうです、ああです』というのを言えるような環境をつくってあげたいなと思ってやってるので」

選手の意見があまりにも的外れな場合は、試合後の個別で意図を説明することもある。ただ、試合中の解決能力を高める上でも、選手たちの声を尊重するのが榎本監督のスタイル。自主性が高まり、要求し合って強い組織が作られていく。