高校野球界では昨年も、たくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、今年、輝きを増しそうな選手はたくさんいる。その…

高校野球界では昨年も、たくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、今年、輝きを増しそうな選手はたくさんいる。そのなかで未来のヒーロー発掘も含め、好プレーヤーを紹介していきたい。

 2年ぶりに埼玉秋季大会で優勝を収めた花咲徳栄の4番に座るのは、右スラッガーの佐伯 真聡捕手(2年)。打っても守っても、頼れる男としてチームを引っ張る。

 関東大会の準決勝。佐野日大(栃木)との接戦を制して決勝へと進んだが、勝利を決定づける一打を放ったのが佐伯だった。9回表に1点を勝ち越した直後の2死三塁で、左翼芝生席への2ランを放った。相手左腕の直球を右打ち狙いでファウルを重ねていたが、真ん中やや内寄りに沈む球に対して、バットで拾うようにスイング。きれいなアッパースイングとなって打球に角度がつくと、グングン打球が伸びてフェンスを越えた。最後は左手1本でのスイング。下半身を中心に体幹が強くないと打球はあそこまで飛ばないだろう。佐伯のポテンシャルの高さを垣間見た打席だった。176センチ、80キロ。体格は決して大きくはないが、全身を使っての打撃でパワーを生んでいる。

 構えも独特だ。両腕を前方に伸ばし、グリップは腰のあたりまで下げて、バットの先も一塁側ベンチ方向へ倒す。投球モーションと同時に、さっとバットを引き、左足をやや上げてトップに入る。そのリズムを自分で作り出してきたのだろう。ジャストミートへの対応がスムーズにできている。甲府工(山梨)戦での2安打は右中間方向とセンター方向への2安打。本塁打よりも、この2安打の方が佐伯本来の打撃を象徴していると思われる。

 守っては捕手として強肩が武器。昨年のチームからレギュラー捕手としてマスクをかぶり、投手陣も引っ張ってきた。守備の要として、4番打者として、チームでなくてはならない存在。高いポテンシャルを秘める打者のセンバツでの活躍が楽しみだ。