<棚橋弘至を愛してま~す 引退連載 7>1・4新日本プロレス東京ドーム大会で引退する棚橋弘至(49)と同世代で、他団体な…

<棚橋弘至を愛してま~す 引退連載 7>

1・4新日本プロレス東京ドーム大会で引退する棚橋弘至(49)と同世代で、他団体ながらともにプロレス界に大きな足跡を残してきたのがプロレスリング・ノアの丸藤正道(46)だ。シングルで過去4度、棚橋と戦ったこともある丸藤は“ライバル”の引退を前に何を思うのか。話を聞いた。(聞き手・千葉修宏)

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-棚橋選手っていうのは丸藤選手にとってどういう存在ですか

「ちょっと棚橋選手の方が年上なんですけど、まあ同世代で。年齢、キャリア同じくらいで。交わる前からなんかちょっと比べられたり、そういう存在だったんです。なんか“常にいる存在”ですね。他団体といえども」

-最初からライバル心みたいなものがあったんですか

「初めて戦うまではそんなにライバル心みたいなのはなかったですね。初めて手を合わせるってなった時に、そういう気持ちが湧いたかな」

-対戦してみて最初に感じたものはどういう感覚でしたか

「やっぱり僕も結構、人として、レスラーとして明るい方なんですけども、それをさらに上回ってくる天性の明るさというか。ここはすごいなと思いましたね」

-全部の歓声を持っていってしまうみたいなところがありますよね

「そうですね。根っからのベビーフェイスなんでしょうね」

-丸藤選手と4回対戦していると思うんですが、1番印象に残っているのは

「IWGPとかG1とか、そういうのもあったんですけど、やっぱり一番最初のアンダー30(03年12月のIWGP U-30無差別級王座戦)ですか。あの時に向かい合った時の印象というか刺激というか、そういうのは忘れられないですよね」

-対峙(たいじ)した時の気持ちは

「ワクワクしましたよね、やっぱり」

-おふたりがプロレス界をけん引してきたと思います

「僕は別にけん引なんかしてないですけど、彼はしてきたと思いますよ。光を放ちながら、団体も引っ張りながら、プロレス界も引っ張りながら、っていうのは僕より完全に彼の方がやってると思います」

-そういう中、負けたくないとか、棚橋選手を光で上回ってやろうと思わなかったですか

「光で上回るのは無理っすね、あの人を。だから僕、たぶん試合の中の小ざかしい部分で彼を翻弄(ほんろう)したりとか。そういうところで上回ってやろうという気持ちはありましたけど。彼が解き放つ明るさというのを上回ろうとは思わなかったですね」

-そういう意味では棚橋選手がいることによって丸藤選手の方向性も決まっていくような存在だと

「そうですね。彼に追いつこうとか彼を追い越そうと思ったら、もうその時点で彼より下なんで。自分の中にもやっぱり変な意地とかプライドがあって。彼がそういう部分でプロレス界に光を放つなら、僕は違う部分で光を放とうと」

-丸藤選手自身のやめ方はどう考えていますか

「数年前に体があんまり、故障が多くてそろそろかなと思ったんですけど。僕はちょっと復活してきたんで。最近コンディションも良くなってきてるんで、もうちょいできるかなと。その点においては、彼を追い抜いた状況になるんじゃないですか」

-特に丸藤選手のようなタイプのレスラーは動けなくなったら、というところがありますが

「でも僕は本当に何年かスパンでスタイルを変えていってるんで、意外と。不知火(相手を抱えながらコーナーを駆け上がり、宙返りして相手の後頭部をマットにたたきつける技)という技は使ってますけど、試合内容自体は変えていっているので。そういった意味では彼はずっと同じスタイルでやってきていると思うので。それが棚橋弘至だという試合を。だからこそ体の負担というのはずっと同じところにかかってたと思うんです」

-ハイフライフローの衝撃が積み重なって

「何千、何万回ってあんな高いところから膝打ってたら、そりゃ悪くなりますよね」

-今は丸藤選手はどういうプロレスを見せていこうという部分が一番強いんですか

「僕はもういまさら新しいうんぬんというのはそんなにない。僕はもう生きざまを見せていくプロレスの段階ですからね」

-丸藤選手もサイバーファイトの副社長だから、会社を運営する大変さも分かっていると思います。棚橋選手が社長に専念したら新日本はどうなっていくと思いますか

「僕はまだ全然分からないです。でも(人間的に)計り知れない部分というのが彼にあるからこその引退でもあると思うし。もちろんコンディションの部分もあると思うんですけど。とにかく明るい会社になるんじゃないですか、きっと」