<全国高校サッカー選手権:聖和学園1-2日大藤沢>◇2日◇3回戦◇U等々力日大藤沢(神奈川)が聖和学園(宮城)に2-1で…
<全国高校サッカー選手権:聖和学園1-2日大藤沢>◇2日◇3回戦◇U等々力
日大藤沢(神奈川)が聖和学園(宮城)に2-1で競り勝ち、2014年度大会以来11年ぶりのベスト8進出を果たした。
後半19分、CKからゴール前で混線をつくり、最後はMF杉崎万泰(まひろ、3年)が右足で蹴り込んだ。何でもハイレベルでこなせる万能型のボランチとして攻守にチームを支える黒子が、ここ一番の場面で期待に応えた。
佐藤輝勝監督いわく“杉崎はチームで一番替えが利かない選手”なのだという。「ここにもいるのか、っていうぐらい運動量がある。目立たないかもしれないですけど、チームの歯車として外せない素晴らしい選手」とたたえる。
ピッチで頼りになる男は、ピッチ外でも飛び抜けている。学業成績はオール5と文武両道を地で行く。大会期間中も1カ月後の超難関大学の受験に向けて勉学に余念がない。この日の試合前にもしっかり参考書とにらめっこ。その上で試合でもフル出場し、決勝点まで挙げたのだから真のスーパーヒーローだろう。
日本一と大学合格という二兎(にと)を追う杉崎は、勝利に浮かれる様子はなく「本当に90分の試合じゃなくて80分なので、いつも以上に1点に重みがあると思いますし、聖和学園さんの時間も多い中で、やっぱり1点がなかったら崩れていたかもしれない。そう言った意味でも、本当に自分が決めてチームが勝てたのは良かったと思います」。そう言って喜びをかみしめた。
日大藤沢のパスサッカーは杉崎らボランチがカギとなっている。この日、先制点を挙げたMF野口慶人(3年)もいる上に、元日本代表のレジェンド中村憲剛氏の長男で、この日は後半途中からゲームチェンジャー役で出場したMF中村龍剛(2年)もいる。野口がキックの名手なら、中村はゲームを読み、流れを変えられるサッカーIQが突出した選手。2つのボランチのイスを個性の異なる3選手が競い合うことで、チームの構成力もより高まっている。
佐藤監督は11年前にベスト4まで進出したチームと比較し、「一番は選手同士で苦しい状況になった時に、自分たちで声をかけ合うができるのが違いかもしれない。ゲームチェンジができる選手もいるし、本当に自立した選手たちを預かっている」と言う。
次はインターハイ王者の神村学園(鹿児島)が相手。佐藤監督は取り囲んだメディアに向けて「みなさん、神村が勝つと思ってるんじゃないですか?」と笑顔を振りまいた。
3年前には3回戦で当たり、PK戦の末に敗れている。そのリベンジマッチに向け、「いい意味で裏切れるよう、自分たちは本当にチャレンジャーで、チームが一つになって、見ている人ややっているやつらも感動や楽しいって思えるようなサッカーを思い切りぶつけられれば。なお勝負が出来れば素晴らしい」と意欲をあらわにした。【佐藤隆志】
▽日大藤沢MF中村(元日本代表MF中村憲剛氏の長男で後半14分から途中出場し、ゲームチェンジャー役を全う)「聖和学園はドリブルが上手なので、球際の1個1個に自分が絶対に勝って流れを引き寄せようと思った」