新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」が1月4日に東京ドームで行われる。“…

新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」が1月4日に東京ドームで行われる。“100年に1人の逸材”として団体を引っ張り、現役を引退する棚橋弘至(49)が運命の1・4を迎える。チケットが全席完売となった大注目の大会を前に、棚橋の激闘10選を10回にわたって振り返る。9回目は2007年11月11日、両国での棚橋vs後藤。

<棚橋弘至・激闘10選:第9回>◇2007年11月11日◇東京・両国国技館

IWGPヘビー級王者棚橋弘至(30)が、挑戦者後藤洋央紀(28)を31分22秒、テキサス四ツ葉固めで破り、初防衛に成功した。後藤の攻撃で首を痛めたが、気力で反撃し、王者の貫禄を示した。来年1月4日の東京ドーム大会で予定されるTNAとの全面対抗戦も「大将」としてけん引する。

棚橋が「王者の責任」とは何かを後藤に見せつけた。後藤の攻撃で後頭部を強打し、頸椎(けいつい)を痛めた。さらに首を徹底的に攻められ、意識が消えそうになった。それでも気力を振り絞りハイフライフローなど大技を畳みかけて逆転勝ちした。

試合後はほとんど話せない状態で、一時は広報担当者が勝利者インタビュー中止を発表した。それでも棚橋はふらつく足で会見場に現れた。「オレが新日本のチャンピオンだから。ベルトは誰にも渡さない」と絞り出すと倒れるように控室に消えた。最後まで王者としての役目を全うした。

観衆との戦いにも勝った。声援はヘビー級転向直後で期待の高い後藤に集中。棚橋にはブーイングが飛んだ。それも気にはならなかった。「期待の若手」から「強い王者」へ自分へのファンの認識が変わったと確信した。対戦前に「タイトル戦は挑戦者が応援されるのがいい」と話した通りの展開をつくった。

2度目のIWGP王座奪取以来、団体を背負うリーダーとしての自覚も芽生えた。10月シリーズから試合前の会場で若手の指導を行っている。練習生2人に若手の平沢、内藤も加わる「棚橋教室」。練習生の1人は「基礎の1つ1つから『新日本は他団体より強い』と教えられています」と話す。王者という立場に加え、団体をけん引するというリーダーとしての責任感、自覚が勝利の原動力になった。

試合後には中邑と真壁がリングに上がり挑戦を訴えた。前王者永田も来年1月4日の東京ドーム大会参戦が有力なカート・アングルとの対戦を棚橋と争う姿勢を見せている。同大会では米TNAとの全面対抗戦が予定される。23日から始まる次期シリーズも、どの挑戦者が来てもベルトを守り抜き、新日本の「大将」として、TNA勢を迎え撃つつもりだ。

<注>当時の記事をリメーク。記事中の年齢、肩書などの表記は当時のものを使用。