日本のサッカー界でも、さまざまなことが起きた2025年。J1では鹿島アントラーズが9年ぶりにタイトルを手にし、そしてJ…
日本のサッカー界でも、さまざまなことが起きた2025年。J1では鹿島アントラーズが9年ぶりにタイトルを手にし、そしてJ2では「番人」とまで言われた水戸ホーリーホックが史上初となるJ1昇格を果たした。一方、日本代表はワールドカップ出場への準備を進める中、史上初めてブラジル代表に勝利し、なでしこジャパンは新監督の下、苦戦を強いられている。ワールドカップが開催される2026年に向けて、ベテランのサッカージャーナリスト大住良之と後藤健生が2025年の日本のサッカー界を「総括」。そして、2026年の「展望」を語り合った!
■森保ジャパン「ケガの功名」
――日本代表の振り返りに移りましょう。ワールドカップ出場を3月に決めた後も、満足できる活動だったでしょうか。
大住「選手層を広げるという意味で、ある程度の成果は出たんじゃないかと思うよね」
後藤「森保一監督の想定以上に広がっちゃったわけでしょ。続出したケガ人の代役として使ってみたら、全員できちゃうんだもん」
大住「鈴木淳之介や早川友基は、今年が代表デビューだったのにね。早川は、鈴木彩艶が出られなくても、そんなに見劣りしないプレーができるぞ、と思うくらいになっているよね」
後藤「あれほどまでに呼んだCB全員が活躍できちゃうというのは、どうなっているんだろうと思うよね。ついこの間まではCFとGKと並んで、CBが穴だと言われていたのにさ。さらに冨安健洋がようやくプレーできるようになって、伊藤洋輝はバイエルンで先発しているし」
大住「そういう意味では、6月の2試合で主力を休めて若手をたくさん呼んで、7月にはE-1選手権があって、うまく選手を使ったと思うよね。アメリカに負けたりしたけど、ワールドカップに向けてのチームづくりとしては順調に来ているんじゃないかと思うけどね」
■最大のトピックは「上田綺世」
――1勝1分のアメリカ遠征も、チームが落ちてきたというわけではなかったのでしょうか。
大住「内容は、良くはなかったよ」
後藤「日本代表は、9月の試合はいつも調子が良くないんだよ」
大住「コンディションが整わなかったよね」
後藤「アメリカ戦なんて、メキシコ戦から移動を含めて中2日でやったんだし、しょうがないよ」
大住「他のポジティブなトピックと言えば、上田綺世の成長だよ。まさに待望のブレイクという感じがする。この選手が軸、というのが決まったよね。CFは日本のサッカーの一番と言っていいくらいの弱点だったので、すごく良かったんじゃないかな。ブラジル戦で決めたヘディングはすごかった。あのCKを奪ったときのヘディングもすごかったし」
後藤「そうそう、あのヘディングはすごかったよね。CKを取って、またヘディングして、今度は決めちゃった」
■日本サッカー史に残る「初勝利」
大住「空中で体をねじ込んでヘディングしていたからね。選手層が広がったというのと同時に、堂安律や今はケガしている鎌田大地も含めて、個々も伸びている。選手層が広がって個が伸びているんだから、収穫があった1年だったと言えると思う。これまでは、ワールドカップ出場が決まった後、無駄に時間を使ったなと思う例が多かったけど」
後藤「盛り上がれないんだよね。予選は勝って当たり前だし、出場を決めた後は親善試合しかないし」
大住「でもブラジルに勝ったっていうのはさ…」
後藤「そうそう、NHKの今年のスポーツ10大ニュースを見たら、2番目になっていた」
大住「世間一般にとっても、すごくインパクトがあったよね。しかも0-2からの逆転だし。試合を見ていた側からすると、あの前半は何だったんだと思ったけど」
後藤「また死んだふり作戦か、ってね。だけど、後半は圧倒していたからね」
大住「ブラジルに初勝利というのは、日本サッカーのこれからも続く長い歴史にも、ずっと残っていくものであるのは確かだよ」