スーパーキャッチ後に歩み寄ったパヘスに語りかけるキケ(C)Getty Images 2年連続での世界一をつかんだドジャー…

スーパーキャッチ後に歩み寄ったパヘスに語りかけるキケ(C)Getty Images

 2年連続での世界一をつかんだドジャース。だが、ブルージェイズとの最終決戦では、一時は「負け」を覚悟した選手もいた。

 現地時間11月1日に行われたワールドシリーズ第7戦は、最後まで手に汗握る展開となった。ドジャースは1点を追う9回表、ミゲル・ロハスのソロ本塁打で土壇場で同点に追いつく。しかしその裏、二死満塁と一打サヨナラ負けの大ピンチを背負った。

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 打席には、今シリーズで打率.387を誇っていたアーニー・クレメント。単打でも優勝を逃しかねない状況に、球場全体の緊張感は極限まで高まっていた。

 ここで、勝敗を分けるビッグプレーが生まれる。クレメントが初球を強振して放った高い飛球は左中間へ。左翼の“キケ”ことエンリケ・ヘルナンデスと、同回途中から守備に入っていた中堅のアンディ・パヘスが全力で追い、最後は衝突しながらもパヘスが体をめいっぱい伸ばしてキャッチした。

 もし落球していれば勝負は終わっていた――。だからこそ、キケは一瞬、敗戦を覚悟したと明かす。衝突後、しばらくうずくまって動けなかった彼は、試合後に米スポーツ専門局『ESPN』でこう語っている。

「俺はウィリー・メイズみたいに背面キャッチをやろうと思っていた。そしたらパヘスにタックルされたんだ。完璧に吹っ飛ばされたから、瞬間的に負けたと思ったんだ。あの時に立てなかったのは、負けたと思ったから、ただ打ちひしがれていたからだ」

 自らが捕球できず終戦を招いたのではないか――。そんな思いが頭をよぎった瞬間、声を掛けてきたのは、すでにボールを手にしていたパヘスだった。

「あいつが近づいてきて、『おい、大丈夫か?』って聞くんだ。だから、咄嗟に『そんなのどうでもいいよ。ボールを取ってるのか?』って聞き返したんだ。そしたら『もちろん』って。だからもう、『よっしゃ! 行くぞ!』って感じだった」

 2人の命がけの守備はチームに再び勢いをもたらし、ドジャースは11回表にウィル・スミスのソロ本塁打で勝ち越し。21世紀に入ってから史上初となるワールドシリーズ連覇を成し遂げた。

 歴史に刻まれた一瞬。その裏には、覚悟と信頼でつながるチームメート同士の強い絆があった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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