大竹は「いい意味で鈍感になる」ことが大事と述べた(C)産経新聞社 移籍3年目のシーズンを終えた阪神・大竹耕太郎が1年間を…

大竹は「いい意味で鈍感になる」ことが大事と述べた(C)産経新聞社
移籍3年目のシーズンを終えた阪神・大竹耕太郎が1年間を振り返ってくれた。全3回にわたり、その模様を伝えていく。第2回は四球を出さない秘密についてだ。
98イニングを投げて、与えた四球はわずか7個――。2025年の大竹は本当に四球を出さなかった。これについて本人に話を振ると、意外な答えが返ってきた。
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「今こうやって言われて、そうなんだって感じ。意識はなかったですね」
四球を出していない自覚はなかったのか?
「多分、四球を出す人って、四球に関する意識をかなり持っていると思うんですよ。カウントが悪くなったところで、『また歩かせたらやばい』みたいな頭になる。僕の場合は『言われてみれば確かにそこまで出してないかな』ぐらいの意識しかない。そこまで着眼していないというか」
どうやら、意識の問題のようだ。大竹が続ける。
「メンタル面の話になりますが、動画や本を見る中で『人間の脳みそは否定形を理解できない』というワードが刺さりました。今年の一つ大きなテーマになりましたね」
例えば、「紫色のバナナを思い浮かべないでください」と言われたら、逆に頭の中に思い浮かぶといったことだ。「紫色のバナナ」を「四球」に置き換えても同じである。
「身体は頭の中に合わせて動くもの。頭の仕組みを理解したら、考え方も変わってきます。僕は四球がどうとかではなく、どうやって抑えようかなと考えることに重きを置いています。最悪四球を出してもいいぐらいの感覚ですね」
状況によっては、3ボール0ストライクになることもあるはず。そんな時はどう対処する?
「それでも四球という頭にはなりません。3ボールからどう投げたら打者は前に打ってくれるかな、ちょっと前に飛ばさせてみようかなと考えます。しっかりとした技術ありきではありますが、マインドの部分も大きいと思います」
よく、投球のコントロールは精神のコントロールとイコールだと言われる。大竹もそれには賛同する。
「感情のコントロールが苦手な人は、投げる方のコントロールも苦手なのかなと。メンタルが安定している人はコントロールも安定しているイメージがありますね」
確かに、マウンド上で大竹が感情を露わにする機会は少ない。重要な3アウト目を取ったときにガッツポーズをするぐらいか。基本はポーカーフェイスで、取り乱す場面は見られない。
25年シーズンは投球間隔が一定ではなく、調整にも苦労したと思われる。そういう時こそメンタル面のコントロールが大切になると思うが、どうやって向き合っていたのか。
「先発ピッチャーは、中6日で投げ続けるのが流れを掴みやすいです。ただ25年は中10日空いたり、2週間空いたり。日本シリーズに関しても、フェニックス・リーグで調整登板するはずが雨で流れたり。いろいろあった中で気持ちの面を含めて調整できたのは良い経験になりました」
「結局はどう捉えるか次第で、一定のペース(登板間隔)で投げていないと不安になるのであれば、不安を抱いた通りの結果になる。いい意味で鈍感になる、どうなっても大丈夫でしょと思う鈍感力も大事だなと感じました」
イレギュラーな局面でも動じない鈍感力。大竹の中では元々培われてきたものなのか?
「元々は流れを大事にするタイプで、思い通りにならないとダメだってなる側でした。どうしたかというと、自分では絶対に頼まない、選ばないものに手を出すようにしています。レストランで普段頼まないメニューをオーダーしたり、興味がないことに少し触れてみたり。そうすると『意外とこの料理美味しいな』とか『意外と楽しいな』とかに気づける。自分の脳みその使っていない部分を使う感覚ですね」
野球をやっている間だけ上手くなろうと思っても無理だ、と大竹は言う。グラウンド外の取り組みからも滲み出るのだと。誰もが大谷翔平のように160キロの剛速球を投げられたり、何本もホームランを連発できるわけではない。それでもほんの少しの工夫や積み重ねで結果を残し続けることは可能だと示唆している。
[文/構成:尾張はじめ]
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