<近本光司コラム:研鑽>今年もウマ~く走ります!? 阪神不動のリードオフマン、近本光司外野手(31)が持論を語り尽くす日…
<近本光司コラム:研鑽>
今年もウマ~く走ります!? 阪神不動のリードオフマン、近本光司外野手(31)が持論を語り尽くす日刊スポーツの独占コラム「研鑽」。昨年は初取得したフリーエージェント(FA)の権利を行使せず残留。会見でも語った「楽しむ」の真意に触れた。4年連続盗塁王は、ポストシーズンで見せた珠玉の2盗塁にも言及。味わい深いウマ年最初の“いななき”をどうぞ。【柏原誠】
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日刊スポーツ読者のみなさま、明けましておめでとうございます。正月はいつものように過ごしています。正月だから特に何か特別な感情があるとかはないんです。僕の場合、ハワイの優勝旅行から戻って、12月26日にはもう淡路島で自主トレを本格的にスタートさせました。その時点で新しいシーズンが始まっています。1月に入ったら当然、どんどん自主トレが進んで行きます。正月はその中にあるというか…。だから僕の野球においては正月とか、年の変わり目に大きな意味はありません。もちろんモチを食べたり、おせち料理を食べられるのはうれしいですけどね。
秋にはFA権を使わずにチームに残る決断をしました。これからの目標やテーマを聞かれると「楽しむ」と答えています。少し説明すると、野球を楽しむという意識は今に始まったことではありません。入団時、矢野監督の時からそうでした。僕にとっての楽しいことは、いろいろと「考える」ことです。調子がいいから今は楽しい、苦しくなったから楽しくない、というものじゃない。もちろん理想を目指してプレーします。思い通りにいけば「うまくいった」となるけど、それだけでは面白くない。「何でこうやったのに、こうなったんだろう」ということが起こるから楽しい。試行錯誤することが好きなんです。考えることをやめたらダメだと思っています。
今年はウマ年ですから、競馬で例えても同じですよね。血統を見たり、距離適性や前のレースの結果を見て仮説を立てる。予想通りの結果が出たら、それはうれしいことですが、当然そればかりではない。違う結果になった時に、ではなぜこういう結果になったのだろうと振り返るのは非常に興味深いことです。
32歳のシーズンですから、この先の野球人生を考えた時に現役をやれるのはそんなに長くない。野球が嫌いになって終わることだけはしたくないです。やり切ったと思って終わりたい。となると「楽しむしかない」。これでいきます。
昨年は2度目の優勝もできました。今年も当然、優勝が目標です。DeNAとのCSファイナル初戦で三盗を決めて、決勝点につながりました。ソフトバンクとの日本シリーズも同じく初戦に二盗を決めてホームに帰ってきました(注)。実際に勝利につながったし、あの2盗塁は高い評価をいただきました。盗塁の評価は難しい。数が多ければいいとは思わないし、内容だけでもない。でもあの2盗塁は得点になったので、意味があったと思えます。
ああいう大事な場面で盗塁を決めるには、常日ごろからやっていないと難しい。思い切りだけでできるものではない。試合の状況や、相手の観察をしたりして、成功できるパターンにハマった時に、自分が走れるのかどうか。常に走れる状態を作っておく必要があるんです。その意味でも、いい盗塁だったと思います。
年々体力が落ちていく中で、走りは絶対に必要な要素です。守りにも、DHにだって必要です。走ることが楽しいと思えるようにプレーしたいので、メンテナンスはすごく大事にします。元気に走れることが大事な競技。走れるからいろいろな幅が出てきます。
昨年は32盗塁でタイトルを取れましたが、今季の目標は挙げないでおきます。僕の考えを分かってくれたら、具体的な数字を示す意味がないことは分かるでしょう。長いペナントレース、大事なのは最後です。競馬もそうじゃないですか。先行逃げ切りの馬がいれば、最後に差すのが得意な馬もいる。結局は、最後にハナが先着するかどうかですからね。(阪神タイガース外野手)
◆近本の2つの盗塁 DeNAとのCSファイナル初戦(10月15日・甲子園)。0-0の6回先頭で内野安打。中野の犠打で二塁に進むと、打者森下の初球に左腕・東の背後を盗んで三盗に成功。森下の中前打で先制のホームを踏んだ。久しぶりの試合で堅さがあった阪神はこの1点で目を覚ました。巨人に劇的な逆転サヨナラで勝ち上がってきたDeNAの勢いを封じ、3連勝で退けた。
ソフトバンクとの日本シリーズ初戦(10月25日、みずほペイペイドーム)でも盗塁で試合を動かした。0-1の6回に先頭で中前打。中野の初球に完璧なスタートを切り、二盗に成功。中野がバント安打で続き、森下の遊ゴロで近本が同点のホームイン。佐藤輝の二塁打で逆転し、先勝した。