12月31日(水)さいたまスーパーアリーナで開催された「RIZIN師走の超強者祭り」。メインイベントでは朝倉未来がフェ…
12月31日(水)さいたまスーパーアリーナで開催された「RIZIN師走の超強者祭り」。メインイベントでは朝倉未来がフェザー級王者のラジャブアリ・シェイドゥラエフに挑むも、シェイドゥラエフの強烈なパウンドにより1R2分54秒、レフェリーストップによるTKO負けに終わった。
RIZINの旗揚げ10周年記念大会となった今大会。5大タイトルマッチが並ぶ中、メインイベントに組まれたのはシェイドゥラエフと朝倉のタイトルマッチだった。シェイドゥラエフは無敗のまま2024年6月からRIZINに参戦し、2025年5月にクレベル・コイケを右フックでKOして第7代RIZINフェザー級王座を戴冠。同年9月の初防衛戦でもビクター・コレスニックを右ストレートで粉砕し、15戦15勝(6KO・9S)と圧倒的な強さを見せてきた。一方の朝倉は2024年7月に平本蓮にKO負けを喫して一時は現役引退を表明したものの、2025年に入って鈴木千裕とクレベルに連勝して復活。RIZIN10周年のメインイベントという大舞台で過去最強の相手・無敵の王者シェイドゥラエフに挑んだ。
試合は開始直後からシェイドゥラエフが強烈な打撃でプレッシャーをかけ、朝倉をロープに詰めると豪快な投げで何度もマットに叩きつける。必死に立ち続けた朝倉だったが、シェイドゥラエフは後方から強烈なパンチを効かせてテイクダウンし、バックマウントからパンチを連打してレフェリーストップを呼び込んだ。甚大なダメージを負った朝倉は担架でリングを降りることになり、インタビュースペースに現れることなく病院に直行。終わってみればシェイドゥラエフが朝倉を全く寄せ付けず、ワンサイドゲームで圧倒的な力の差を見せつけた。
試合後の総括でRIZIN榊󠄀原信行CEOが「(シェイドゥラエフは)モノが違うように見えた。これから次なるコンテンダーが誰になるのか。どうやって攻略するのか。それを果たせるのかどうか」と語ったように、2026年以降のRIZINは「ストップ・シェイドゥラエフは誰だ?」が大きなテーマになってくる。
これまでシェイドゥラエフはRIZINで武田光司、フアン・アーチュレッタ、久保優太、クレベル・コイケ、ビクター・コレスニック、朝倉未来を撃破。大会前の取材で武田が「シェイドゥラエフはサウスポーのグラップラーを苦手にしていると思う」と仮説を立てていたが、シェイドゥラエフも朝倉戦後のインタビューで「サウスポーはやりにくい」という主旨のコメントを残していた。
この部分にフォーカスし、まだシェイドゥラエフと対戦していないサウスポーのRIZINファイターを挙げると、真っ先に頭に浮かぶのは平本蓮と秋元強真の2人だろう。平本はK-1・キックボクシング出身のストライカーで、オーソドックスとサウスポーをどちらも出来るスイッチヒッターだが、MMA転向後は主にサウスポーで戦っている。前述の朝倉戦でのKO勝利からも分かる通り、RIZINでもトップレベルの打撃スキルを持ち、その一撃はシェイドゥラエフに風穴を開ける可能性を秘めている。
秋元は朝倉と同じJTT所属の19歳。2024年9月からRIZINに参戦し、ここまでの戦績は12戦11勝1敗を誇り、日本のMMAを担うファイターの1人として注目を集めている。平本と同じく打撃を得意とするサウスポーだが、組み技や寝技の対応力もあり、MMAファイターとしてのバランスの良さも光る。また19歳という年齢からも分かる通り、伸び代も十分だ。
仮にシェイドゥラエフがサウスポーの相手を苦手にしているとしても、実際の試合では勝利を収めているわけで、シェイドゥラエフに勝つことはどんなファイターにとっても至難の技。誰が戦っても圧倒的不利な状況の試合になるが、朝倉と拳を交えた平本や朝倉と同門の秋元がシェイドゥラエフに立ち向かうことになれば、そこに感情移入するファンも多いはずだ。
そしてシェイドゥラエフがベルトを持っている限り、平本・秋元以外のRIZINファイターたちもシェイドゥラエフの首を狙い、新たな選手たちがRIZINに参戦することになるだろう。当然そこには試合後に自身のInstagramに「また頑張ります」とコメントした朝倉も含まれる。
「プロモーターとして色んな大会を作らせていただいて、結果“完結したな”という大会を迎えられず、いつもTo Be Continuedになる」と大会を振り返った榊󠄀原CEO。朝倉の大いなるチャレンジから「ストップ・シェイドゥラエフは誰だ?」という新たな戦いが始まることになる。
文・中村拓己
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