ワールドシリーズを制し、目を潤ませた山本。そのやり切った表情が充実ぶりを物語った(C)Getty Images 現地時間…

ワールドシリーズを制し、目を潤ませた山本。そのやり切った表情が充実ぶりを物語った(C)Getty Images
現地時間11月1日に行われた2025年のワールドシリーズ最終第7戦は、ドジャースが9回一死からの大逆転でブルージェイズを下し、球団初の2年連続世界一で幕を閉じた。その裏で連覇を決定づけた存在として語られているのが山本由伸だ。前日の先発登板から中0日でマウンドに上がり、延長戦まで投げ切った異例の連投は、契約交渉の末に山本を獲り逃したヤンキースの判断をも照らし出す結果となった。
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山本は第6戦で6回96球を投げており、この日は登板しないと見られていた。しかし9回一死一、二塁という緊迫の場面で登板。死球で満塁とされながらも味方の好守に助けられて無失点で切り抜け、延長10回も三者凡退に封じた。
さらに11回裏には一死一、三塁のピンチを迎えたが、アレハンドロ・カークを併殺打に仕留めて試合を締めくくった。投球数は34球、2日間合計では130球。先発投手の中0日登板がタブー視される近年のMLBで、まさに異例の連投だった。
チームメートは「野球の神だ」と称え、大谷翔平も「世界一の投手。そのことに異論はない」と語るなど、12年総額3億2500万ドル(約495億円=当時)の超大型契約の価値を最高舞台で証明する形となった。
こうした活躍を受け、争奪戦を繰り広げた球団内でも議論が再燃。米『The Athletic』のヤンキース番クリス・キャッシュナー記者は自身のXで「ヤマモトがやったことは信じられない」と投稿し、契約がまとまらなかった際のヤンキースのオーナーであるハル・スタインブレナー氏の見解を改めて紹介した。
「我々は3億ドルという金額が、正しいか間違っているかは別として、入札が継続する中で非常に良いオファーだと確信した。3億2500万ドルが高すぎるか?3億ドルという提示が非常に、非常に良い条件だと感じていた」
当時、山本はMLB未経験。さらに2019年のゲリット・コールの契約総額を超える提示をルーキーに行うことへのためらいもあったとされる。しかし今、キャッシュナー記者はこう振り返る。
「それはわからない。ただ、彼(山本)はヤンキースが好きだった。彼らの交渉は順調に進んでいたんだ。私の意見を言わせてもらえば、2500万ドルの差しかないなら、それに見合う条件を提示すべきだ」
結果として、山本はドジャースを連覇へ導く重要なピースとなった。「もしも、あの時」――。争奪戦に名を連ねた球団は、今もそんな思いが胸にあるのかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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