新体制での挑戦が始まる。DeNA相川亮二新監督(49)が新年のインタビューに応じ、26年シーズンへの抱負を語った。5年間…
新体制での挑戦が始まる。DeNA相川亮二新監督(49)が新年のインタビューに応じ、26年シーズンへの抱負を語った。5年間指揮を執った前監督の三浦大輔氏(52)から背番号81と思いを継承。牧秀悟内野手(27)の起用法についても新境地へのイメージを思い描いた。日本野球の良さとMLB野球の利点を融合した“相川DeNA”で、98年以来のリーグ優勝へまい進する。【取材・構成=山本佳央】
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スーツ姿の相川監督が口を開いた。新監督としての1年目。相川色をどう出していくのか。
「いいものは全部取り入れたい」
その1つとして、日本野球の良さとMLB野球の良さを融合したプランを口にした。
「牧の1番がいいなと思ってます。もちろん最終的にはコーチやスタッフの方たちと相談して決めたいなと思いますが、個人的にはうちのチームで1年間確実に試合に出られる体力と結果を出し続けられる一番の存在は牧かなと。僕は一番いいバッターはたくさん打席に立つべきだと思いますし、1番と4番では大体50打席ぐらい年間で差がある。一番いいバッターが50打席を立てばヒット数も違いますし、当然ホームラン数も2、3本増えると思ってます」
牧は1番打者での出場は5年間のプロ生活で1度もないが、ドジャース大谷翔平のような新境地を期待する。もちろんあくまで構想段階だが、理想とするのは、つなぎまくる打線だ。
「『出る・つなぐ・かえす』って言いますけど、『出る・つなぐ』でいい。つなぎまくればいい。かえすはいらない。つなぐんですよ、ずっと。結局は、アウトになっちゃいけないってこと。その中で、自己犠牲が必要な場面とかイニングがあるというだけ。それはプランの中で考えていくことで、基本的に打線はつなぎまくる。これしかないと思います」
同時に日本野球の伝統的な考えにも再考の余地を見いだす。
「日本では打順の並びで、やっぱり4番っていうものがすごく重要視されている。4番というものは考え直さなきゃいけない」
イメージするのは「1~3番×2」。アウトにならずに、つなぎまくる打線を思い描く。
「1番牧、2番筒香、3番宮崎や佐野であったり、例えばそこから4番は度会が入ったり。度会、松尾や山本、蝦名だったり、梶原でもいい。従来の4番っていうのはなく、また1番からつないでいくイメージです」
一方でMLB野球の常識をそのまま当てはめるわけではない。先人たちが築いてきた日本の野球観と、統計やデータを重視したメジャー式野球の“いいとこどり”を目指す。
「メジャーリーグみたいな選手層で、みんなが長打を狙って、点数を取っていけるチームであれば、それでいいのかもしれない。でも現状、そういう選手だけでは日本のプロ野球は成り立たない。勝つのが大前提で、役割を理解して、場面に応じた自己犠牲ができる。そういう選手が集まるチームが僕は強いチームだと思います」
これまで犠打をほとんど行っていない選手たちにも、その役割を求める。
「例えば牧、筒香、(宮崎)敏郎、佐野といった主力にも場面に応じたバントをしてもらうことも考えてます」
ただ犠打を命じる場面にも明確に根拠とイメージがある。追いつくためではなく、勝ち越すための犠打。
「基本的にプロ野球は1点から3点ビハインドで勝ちパターンが出てくると、95%くらい負けと言われてます。だから追いついてもしょうがない。僕は(同点の場面で)逆転するためのバントだったらしてもいいかなと思います」
現役時代を含めプロ野球界の30年間で作り上げられた野球観は揺らがない。
「『1点勝っていればいい』というのが僕の考え方。そのために何をしていくか。チームに求めるのは状況判断です。1つのプレー、走塁、守備でもそう。バッテリー間での1つのストライク、ボール、フォアボールも、いい悪いが全部ある。ホームランを打たれてもいい状況もある。そういうものが状況判断だと思うので、そこを(相手より)上回っていければ、1点勝って終われるという考え方につながっていくと思います」
ただ、独りよがりに自らの野球観を押しつけることはしない。チームの良さを生かしつつ、柔軟に周りと協力しながら前に進む。
「自分の野球観だけを出すつもりもないです。選手やチームスタッフの『面白いね』『それちょっとやってみようよ』というのは、どんどん取り入れていって強くなっていく。そんなチームになれればと思います」
すでに戦いは始まっている。オフシーズンの過ごし方について、強いメッセージを発した。
「ここで多分ゆっくりしている人は当然、1軍の舞台は厳しいですし、活躍もできないと思う。オフにやっている人たちが一番伸びてくる。それはベテランでも若手でも関係ないと思います」
DeNA誕生15周年の節目の年。これまで積み上げてきたものを継承しながら、進化させていく。
「ユニホームを着てる人だけで戦うわけじゃなくて、チームスタッフ、球団含めた全員がやっていくチーム。DeNAベイスターズ全員で勝つチーム、そういう伝統・文化を、さらにプラスしていければ」
12球団で最も遠ざかっているリーグ優勝へは、決して簡単な道のりではない。それでも、試行錯誤を繰り返しながら歩みを進める。2026年、唯一無二の戦い方で“相川DeNA”が球団の歴史を変える。
◆相川亮二(あいかわ・りょうじ)1976年(昭51)7月11日、千葉県生まれ。東京学館から94年ドラフト5位で横浜(現DeNA)入団。02年から正捕手に定着。08年オフにFAでヤクルト移籍。09、11年盗塁阻止率リーグ1位。14年オフに2度目のFA移籍で巨人入団。17年引退。通算1508試合、1150安打、69本塁打、475打点、打率2割6分。引退後は19年から巨人コーチ。22年にDeNAに復帰し、昨季は1軍ディフェンスチーフ兼野手コーチ。04年アテネ五輪、06、13年WBC日本代表。183センチ、88キロ。右投げ右打ち。