第104回全国高校サッカー選手権 2回戦 昌平(埼玉)4ー0高知(高知)(31日、NACKほか) 2回戦16試合が行わ…
第104回全国高校サッカー選手権 2回戦 昌平(埼玉)4ー0高知(高知)(31日、NACKほか)
2回戦16試合が行われ、昌平はJ1川崎内定のMF長璃喜(おさ・りゅうき、3年)の2発で高知に4―0で快勝。3回戦は2日に行われる。
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あいさつ代わりの一撃だった。J1川崎内定のエース・長は1―0の前半17分、強烈な右足シュートでネットを揺らすと、両手を広げて大きく叫んだ。「決め切ることができてよかった」。J2湘南内定・山口からのスルーパスに反応し、相手DFを置き去りに。ペナルティーエリア内でGKとの1対1も、落ち着いてワンタッチでかわして仕留めた。
これだけでは終わらない。3―0の後半10分にはFW立野が放ったシュートのこぼれ球を右足で詰めて2点目。「パスではなくてシュートを選択できたことは自分の中で成長できた点だと思う」。圧巻の2ゴールで前売りチケット完売、7135人が詰めかけたスタジアムを沸かせた。
得点感覚に加え、スピード豊かなドリブル、ボールを奪われない技術は超高校級だ。今大会NO1の呼び声が高いアタッカーには、川崎、鹿島、浦和、清水、横浜FC、新潟とJリーグの6クラブが争奪戦を繰り広げ、川崎が獲得に成功した。芦田徹監督(47)も「彼の能力はかなりのレベルにある」と舌を巻くほどだ。
アタッカーとして参考にするのは、チェルシー(イングランド)などで活躍した元ベルギー代表MFのエデン・アザール(34)。調子が悪かったときに偶然、プレー動画を目にした。アザールは173センチと大柄ではないが「無駄にフェイントをしないで、緩急だったり、ボールの置く位置などで(かわす)。無駄な動きがなく、ゴールに直結するドリブルだった」。自分の理想像と重なった。
高校最後の選手権。「負けたら(高校生活は)引退なので1試合1試合、絶対に勝つ」と一戦必勝に全集中だ。この日、来季にJ2湘南に加入するMF山口も1ゴール2アシストと活躍。強い刺激を受け、長も「2人でチームを引っ張っていく」と決意を示した。前回大会は埼玉県予選の準々決勝で敗退。満を持して乗り込んだ全国の舞台で大暴れする。 (綾部 健真)
◆長 璃喜(おさ・りゅうき)2007年10月13日、埼玉・春日部市生まれ。18歳。幼稚園の年長からサッカーを始め、中学進学時に昌平のコーチ陣が指導にあたるクラブチーム、FCLAVIDAに入団。23年4月に昌平高入学。同年から年代別の日本代表に3年連続で選出。25年12月にJ1川崎に加入内定。168センチ、64キロ。