「全国高校サッカー選手権・2回戦、神戸弘陵2-1前橋育英」(31日、浦和駒場スタジアム) 16試合が行われ、神戸弘陵(…

 「全国高校サッカー選手権・2回戦、神戸弘陵2-1前橋育英」(31日、浦和駒場スタジアム)

 16試合が行われ、神戸弘陵(兵庫)が前回王者の前橋育英(群馬)を2-1で破り、3回戦に進出した。高校総体覇者の神村学園(鹿児島)は、FW日高元(3年)の3得点などで東海学園(愛知)に6-0で大勝。堀越(東京A)は宇治山田商(三重)を9-0で圧倒した。興国(大阪)は浜松開誠館(静岡)とのPK戦を制した。大津(熊本)は優勝4度の青森山田(青森)に2-0で快勝。前回準優勝の流通経大柏(千葉)は米子北(鳥取)を3-0で下した。聖和学園(宮城)、東福岡(福岡)などもベスト16入りした。

 えんじ色の背番号10が、連覇を狙った前回王者を2発で沈めた。終盤の怒濤(どとう)の反撃をしのぎ切り、ベンチから勝利の瞬間を見届けた神戸弘陵のFW池壱樹(3年)は、王者打破に「めちゃめちゃ気持ちいい」と破顔。尊敬する車いすラグビー日本代表で昨夏のパリ・パラリンピック金メダリストの父・透暢(ゆきのぶ)さんが駆けつけた中、成長した姿を見せた。

 前半15分、セットプレーからのこぼれ球に右足を振り抜いて先制弾。同40分には左サイドから仕掛け、ゴール左に決めた。試合前、父から「勝つためには3点いる。おまえが決めろ」と激励。ノルマには届かなかったが「2点決めて勝利に導くことができて良かった」とうなずいた。

 透暢さんは19歳の時に交通事故に遭い、左足を切断。困難からはい上がる父の姿を見てきた息子は、自然と影響された。地道な筋トレ・食トレを続け、体重は入学時から10キロ増加。ラグビー選手のような、簡単に当たり負けしないフィジカルを手にした。谷純一監督も「かなり線が細い選手だったが、チームを勝たせられる選手に成長した」と目を細めた。

 強心臓が武器だ。相手は前回優勝時のスタメン5人が並んだが「同じ高校生。全然ビビることない」と一歩も引かず。兵庫県予選では準々決勝、決勝で決勝ゴール。結果から来る自信が、この日放った2本のシュートがともにネットを揺らしたように決定力の高さにつながっている。

 強敵を撃破したが、チームは浮足立っていない。池は「自分たちの目標は優勝。毎試合必ず1点取る」と力強く話す。以前、父の金メダルを首から下げたことがある。今度は自分が父にかけられるよう、頂点を目指す。

 ◇池 壱樹(いけ・いつき)2007年7月31日、高知県出身。JFAアカデミー福島を経て、神戸弘陵高に進学。車いすラグビー日本代表主将で、2024年のパリ・パラリンピック金メダリストの透暢(ゆきのぶ)を父に持つ。目標の選手はイングランド代表のMFグリーリッシュ(エバートン)。172センチ、64キロ。