◆プロボクシング▽WBA世界ライトフライ級(48・9キロ以下)挑戦者決定戦 〇吉良大弥(KO2回27秒)イバン・バルデラ…

◆プロボクシング▽WBA世界ライトフライ級(48・9キロ以下)挑戦者決定戦 〇吉良大弥(KO2回27秒)イバン・バルデラス●(31日、大田区総合体育館) 

 WBA世界ライトフライ級2位・吉良大弥(22)=志成=が、鮮やかなKO勝利で世界王座への挑戦権を獲得した。WBA世界同級7位イバン・バルデラス(24)=メキシコ=とWBA世界同級挑戦者決定戦を行い、2回に右ストレート一発でKO勝ち。目の覚めるワンパンチKO勝利となった吉良は「狙っていなかったから倒せた。前回は狙いすぎて判定勝ち。左ジャブで組み立てて、2回から体がなれて(パンチを)当てることができた」と喜んだ。

 大一番を前に、気持ちが高ぶっていた。過去3戦は常に迷いながらの試合だった。「自分が考えてることと、教えてもらってことがかみ合わなく」リングでは常に悩んでいた。答えは技術的なものではなく、メンタルの部分にあった。「教えてもらったことは自分のボクシングの材料のひとつ。リングに上がったら自分の納得する方法でやる」と決めた瞬間、すべてが楽になった。「スパーリングでもすごくいい動きができるようになった。次の試合が楽しみで仕方が無い」と、挑戦者決定戦の舞台が待ち遠しかった。

 ライトフライ級までウェートを落としたのは今回が初めてだが「結構、フィットしている。準備の仕方でどの階級でも行けるんだ思った」と手応えは十分。ターゲットはWBA・WBO統一王者レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)。サンティアゴは12月17日に無敗の高見亨介(帝拳)を破り、王座統一したテクニシャン。5戦目で獲得となれば、最速タイ記録となる。「最短というより、世界チャンピオンになりたい。足りないのは自信だったが、今回の試合で持つことができた」とひと皮むけた22歳が、世界の舞台を見据えた。

 ◇吉良 大弥(きら・だいや) 2003年5月30日、大阪市生まれ。22歳。4歳からキックボクシングを始め、中学1年でボクシングに専念。奈良・王寺工高で選抜、インターハイを制覇。その後、東農大に進み1年からレギュラーとして活躍するが、パリ五輪予選に敗れ2年で中退。24年6月にB級(6回戦)でプロデビュー。プロ戦績は4戦全勝(3KO)。身長163センチの右ボクサーファイター。