トライネンは多くの批判を浴びた(C)Getty Images 2025年10月28日、ドジャー・スタジアム。2年連続の世…

トライネンは多くの批判を浴びた(C)Getty Images

 2025年10月28日、ドジャー・スタジアム。2年連続の世界一を狙うドジャースが、ブルージェイズとのワールドシリーズ第4戦で、今季最大の岐路に立たされていた。

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 マウンドには「1番・投手」としてシリーズ初登板を果たした大谷翔平。しかし、エースの力投の後に待っていたのは、かつての守護神候補に向けられた、地元メディアとファンからの悲痛な叫びだった。

 本拠地での第4戦、大谷は満身創痍の中、6回0/3を投げて4失点と粘りを見せた。スコアは1-4。決して楽な展開ではなかったが、ドジャース打線の爆発力を考えれば、まだ逆転の希望は十分に繋がっている状況だった。

 しかし、その希望を打ち砕く「悲劇」は、大谷がマウンドを降りた後に訪れた。

 7回二死一、二塁というこれ以上の失点が許されない局面。デーブ・ロバーツ監督が送り出したのは、37歳のベテラン、ブレーク・トライネンだった。かつては鉄壁を誇った右腕だったが、この日はその面影もない。ボー・ビシェット、アディソン・バーガーに痛恨の連続適時打を浴び、点差は一気に5点へと拡大。スタジアムの空気は凍りついた。

 この采配に対し、地元メディアや記者は即座に怒りを爆発させた。MLBアナリストのブレーク・ハリス記者は、自身のXでこう吐き捨てた。

「まだ勝負の行方が分からない状況で、なぜトライネンを出そうなんて思えるんだ? 彼はチーム首脳陣の弱みでも握っているのか?」

 呆れと憤りが混じったこの言葉は、多くのファンの声を代弁していた。

 トライネンへの不信感には理由があった。前日の第3戦、延長18回、6時間39分に及ぶ歴史的な死闘の中でも、彼はリードを守りきれず3連打を浴びていた。

 連投による疲労は明らかだったが、それでも彼を重要な局面で使い続けるベンチの判断に、地元局『NBC Los Angeles』のマイケル・J・デュアルテ氏はXで「頼むから、もう彼を試合に出さないでくれ」と、もはや怒りを超えた嘆きを投稿する事態となった。

 2025年シーズンを振り返ると、この「トライネンの起用法」はシリーズの大きな転換点として語り草になっている。選手を信頼し続けるロバーツ采配の“光と影”が、最も残酷な形で出た瞬間だった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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