米ツアー4年目の2025年、渋野日向子にとっては苦しいシーズンとなった。出場23試合でトップ10入りは6月「全米女子オ…

2026年は米女子ツアー5年目となる渋野日向子

米ツアー4年目の2025年、渋野日向子にとっては苦しいシーズンとなった。出場23試合でトップ10入りは6月「全米女子オープン」(7位)の1試合のみ。予選落ち13試合は笹生優花西村優菜らと並んで今季ツアーで最多だった。

年間ポイントランキング104位で4年ぶりに挑んだ最終予選会(Qシリーズ ファイナルステージ)はボーダーライン上の24位タイでクリアした。出場優先順位163番目から臨む5年目は、限られたチャンスを着実にものにしていかなければならない立場。前年トップ10入りの「全米女子オープン」、歴代優勝者の「AIG女子オープン(全英女子)」を除くメジャーの出場権もシーズンの中でつかみ取っていく必要がある。

飛躍のためにはショットの改善が急務

本人も課題を認識している。「ショットもやっぱり、スタッツも全てにおいて低い。その平均値を上げていかなきゃいけない」。フェアウェイキープ率は昨季と同じ部門別85位ながら、70.32%は渡米4年目でワーストの数字だった。昨季66.05%からわずかに良化したパーオン率(66.2%)も、部門別ランクは114位→118位に落とした。1年目に38位だったショットの総合力を示すボールストライキング(トータルドライビングとパーオン率の順位の合算)は、この2年で120位→119位と低迷が続く。

昨季16.51%(136位)にとどまったパーブレーク率(バーディ以上でホールアウトする割合)は17.33%(125位)とわずかに持ち直す気配を見せた。国内ツアーにスポット参戦した11月「大王製紙エリエールレディス」で首を痛めた以外はフィジカル面でトーナメント欠場に直結する大きなトラブルはなく、平均飛距離256.7ydも最も飛んでいた1年目の257.65ydに迫ってきた。10月にキャリアで初めて専門家から指導を受けたパッティングも取り組みの方向性が定まってきた感がある。やはりワーストだった平均ストローク(72.42)の改善には、ショットの立て直しが急務となる。

最終予選会を突破して米女子ツアーに残留

シーズンを通して散見されたのは、渋野が最も嫌う左へのミスが出ることでメンタルにも大きく影響してスコアを崩していくシーン。右をある程度許容し、左のミスを最大限ケアしていたQシリーズは比較的安定していたが、2日目の1番ではティショット、セカンドと出球が左に飛んでダブルボギーを喫している。

オフの取り組みについて「自分が絶対に変えたくないところっていうのを自分でちゃんと理解して、これからやっていかないといけない」と線引きをした上でポイントを明確にした。「そこだけは、左のミスを減らすっていう、自分の球筋をしっかり分かった上で、またスイングも考えないといけないと思いますし、身体づくりも考えないといけない。左のミスを減らすっていうのが1個の基準になっていくのかな」。3月以降が見込まれる新シーズン初戦までの準備期間、自らのウィークポイントと正面から向き合う。(編集部・亀山泰宏)

渋野日向子の米ツアー年度別スタッツ一覧