東京女子プロレスは1月4日の後楽園ホール大会で新年初戦を迎える。同大会でプリンセス・オブ・プリンセス王者の渡辺未詩(26…
東京女子プロレスは1月4日の後楽園ホール大会で新年初戦を迎える。同大会でプリンセス・オブ・プリンセス王者の渡辺未詩(26)に挑戦するのが鈴芽(27)だ。団体内で最も近い存在だという未詩に挑む鈴芽に今の心境を聞いた。
-1・4にいよいよプリプリ王座に挑戦します
「未詩さんは練習生の時から、キャリアは違うけど、一番近くにいる先輩だったんです。たくさんのことを教えてもらってきて。自分の節目、ベルトを取ったりした時も近くにいてくれたり。ずっと引っ張ってきてもらった存在です。プライベートでも一緒に遊んだりすることも多くて。すごくいろんなことをしゃべってきたんです。自分のプラスな面もマイナスな面も、たぶん未詩さんには話してきました。そんな人と、今までで一番向き合ってるなという感覚があります」
-未詩選手は鈴芽選手のマイナスな面も知ってると
「私自身がうまくプロレスに向き合えなかったりとか、そういうのも知ってます。だからこそ未詩さんが私と戦いたかったって言ってくれたことにびっくりしました。私は私なりにプロレスに向き合ってここまで来たけど、そうじゃなかった瞬間を知ってる人だから」
-未詩選手はなぜ鈴芽選手と戦いたいと思ってくれていたんでしょうか
「ちょっとお話しした感じだと、私も思ってたけどすごく東京女子プロレスに対する“好き”が似ているんですよ。だからじゃないかなと思います。未詩さんはもともとプロレスがやりたかったわけじゃなくてプロレスを始めて。私はそのデビュー戦を客席で見てたんです。未詩さんはそこからどんどんプロレス、東京女子が好きになっていって。私もそこからどんどん好きで(プロレスを)やりたいと思って。同じ頃にプロレスを好きになって、同じもの、同じ東京女子を見て育った2人だからこそなのかな」
-対戦するのは感慨深いのでは
「感慨深いというか、もう挑戦表明の時点でお互い気持ちがすごい溢れてしまったんですけど(笑い)。でも今まで以上に気持ちも、言葉も全部ぶつけていきたいと思います」
-プロレスとうまく向き合えなかった時期っていうのはどんな時ですか
「私はプロレスラーになるにあたって、なりたい自分像っていうのがずっとあるんです。それになるための姿が鈴芽だと思っていて。“理想の鈴芽”とのギャップにすごく悩む時期があって。でも、それまでの私と鈴芽は別人じゃなくて当たり前なんですけど(笑い)、地続きの同一人物でしかないってことが辛いけど分かって。ちょっと楽になったんです。自分は自分にしかなれないけど、でもなりたい自分にちょっとずつなっていくことができるってその時に思ったから、今の自分があると思います」
-鈴芽選手と未詩選手が戦うとなると「パワーの未詩」対「スピード&テクニックの鈴芽」みたいな構図になると思います
「パワーのある人とか大きい人を相手に戦うっていうのは、私にとっては大体がそうなんですよ。だから、それは今までやってきたことではあります。そして私は中島(翔子)さんや瑞希さんを最初から見てきたので、体が小さいことが不利だとは全く思ったことがないんですよ。だから自分自身の戦い方にもすごく自信を持って挑めるかなっていうふうに思ってます」
-なるほど
「ただ、未詩さんはパワーもすごいけど、速いんですよ。未詩さんもちゃんと速さがあるから私、前哨戦でちょっと未詩さんにパワーで挑んでみたんです」
-えっ、そうなんですか
「ダメージ(を与える)という意味ではそこまでではなかったけど、未詩さんの警戒心というか、驚きという点では効果があったんじゃないかなと思ってて。未詩さんは私の戦い方とかスタンスも知ってるからこそ、私がその選択肢を選ぶとは思ってないと思うんですよね。そういう意味で、全方位警戒してもらうっていうところで、私のペースかなとは思ってます」
-そういう精神的なワナを仕掛けてたわけですね
「たま未来メッセでの試合だったんですけど、最初に力比べを挑んでみたり。私、ボディスラムってたぶん試合でしたことがないんですけど、プロレスの基礎ではあると思うし、ボディスラムで未詩さんを投げました(笑い)。もちろん、未詩さんとは練習生の時からボディースラムとかも練習してきたし、私が投げられるっていうことは知ってたと思うんですけど、試合の中でそれを私が選ぶと思ってない。未詩さんも自分が投げられるとは思ってなかったじゃないかな」
-未詩選手は決して大柄ではないけど、筋肉が詰まっていて重そうですよね
「(未詩は)スキもないし、抵抗されたら私は投げられないので。やるわけないっていう状態だからこそ、できたっていうのもあります」
-ちゃんと前哨戦でそういう心理戦を仕掛けてたわけですね
「心理戦というのもあるけど、自分の戦い方ってすごく効率というか『何をどう組み合わせたら勝てるか』みたいな考え方をしてしまうんですけど、私の一番の武器ってたぶん負けず嫌いなところだと思うから。相手の得意分野で殴り込むじゃないけど、そういうむちゃをするのも私なんじゃないかっていう部分があって。自分の殻を破りたくてやったっていうのもあります。だから自分との心理戦の可能性があります」
-それから今回でじもんのパートナー遠藤有栖選手も防衛戦をやります
「有栖はずっと“すげえヤツ”なんです。でも、タッグとして戦ってる中で、有栖をシングルでも見ると、やっぱり有栖は強いし。シングルのベルトもこうやって今獲って、王者としてもすごく格好良いなっていうのが私の気持ちです。その有栖の隣にベルトを持って並びたいとすごく思ってて。挑戦表明した時も背中を押してもらったし、お互い背中を押せてる存在なのかなって思ってます」
-それでは最後にファンへのメッセージを
「1・4後楽園ホール、未詩さんとだからできる戦いを絶対にお届けできると思っています。そして鈴芽をずっと応援してくださってる皆さんと見たい景色があるので、見守っててください」