<全国高校サッカー選手権:東海学園0-6神村学園>◇31日◇2回戦◇ニッパツ夏の全国高校総体(インターハイ)王者、神村学…
<全国高校サッカー選手権:東海学園0-6神村学園>◇31日◇2回戦◇ニッパツ
夏の全国高校総体(インターハイ)王者、神村学園(鹿児島)が登場し、いきなり今大会のハットトリック第1号を決めた。3年生FW日高元(はじめ)が、東海学園(愛知)戦に先発出場。1-0の前半25分に右足でチーム2点目を決めると、同33分にも頭で自身2点目。後半に入っても勢いは衰えず、右足で1試合3ゴールを達成した。14分、ペナルティーアーク付近でボールを受けると、迷わずシュートを選び、ゴール右にミドル弾を蹴り込んだ。
鹿児島県大会で9ゴールを挙げて得点王に輝いた165センチのアタッカー。J2いわきFC加入内定のDF中野陽斗主将(3年)やJ1アビスパ福岡入りするMF福島和毅(3年)らJ内定3選手を擁する中、主役になった。
「プレミア(高円宮杯U-18プレミアリーグWEST)の最終節でも点を取っていて、イメージは、いい感じかなと。練習でもいい感触、いい形でゴールまで行けていたので」
他会場でも、東福岡のFW斉藤琉稀空(るきあ)主将(3年)が秋田商戦の後半17分にハットトリックを達成したが、神村学園の日高が「3分前」に今大会初を成し遂げた。
2年だった昨夏のインターハイで左膝を負傷し、途中離脱。復帰戦となった練習試合で左の第5中足骨を痛める不運に見舞われ、今年の4月まで棒に振っていた。
勝負の最終学年。8月の全国高校総体決勝では大津(熊本)と対戦し、救世主になった。0-1の後半アディショナルタイム6分、超土壇場に起死回生の同点ゴールを決め、チームは延長。PK戦の末に県勢初のインターハイ制覇を果たした。
その日高が、夏冬2冠へ引っ張った。まずはFW倉中悠駕(3年)の先制点の起点となった後、ハットトリック。「(大けがで)気持ちが下がった時期もあったけど、ここで終わっちゃダメだな、と」。卒業後の進路は保留中だが「プロでも開幕戦からスタメンで使ってもらえるような選手になっていきたい」と、最後の選手権初戦で片りんを示した。
日高に活性化されたチームは、DF荒木仁翔(3年)の3点目も生まれ、前半だけで4-0と圧倒した。後半からJ1のFC町田ゼルビア入団が内定しているFW徳村楓大(3年)やU-17日本代表DF竹野楓太(2年)に加え、背番号10の佐々木悠太(3年)を投入。25分に、その佐々木が6点目を奪うなど夏覇者の実力を見せつけた。
有村圭一郎監督(48)は試合後、場内インタビューに「1つ1つ、しっかり地に足つけて頑張っていきたい」と答え、日高も「夏に続いて、冬も(日本一の座を)取りに行きます」と力を込めた。
対する東海学園はシュート0本のまま試合終了。後半の追加タイムに最初で最後のCKのチャンスを迎えたものの、シュートには至らなかった。
ガンバ大阪、ヴィッセル神戸で草創期にプレーした元Jリーガーの鶴田道弘監督(57)に率いられ、激戦区愛知を勝ち抜いたが、反対に19本を打たれて完敗の初戦敗退となった。【木下淳】