2026年は午年にあたる。競馬ファンなら「馬」にまつわる初詣スポットに行ってみたくなるものだろう。京都府伏見区に位置…

 2026年は午年にあたる。競馬ファンなら「馬」にまつわる初詣スポットに行ってみたくなるものだろう。京都府伏見区に位置する藤森神社は、馬の神社として知られ、一年を通じて全国から競馬関係者やファンが参拝に来る。

 京都駅からJR奈良線に揺られること約10分。3駅目のJR藤森駅で下車し、徒歩5、6分のところに藤森神社はある。

 西門の石碑に「菖蒲の節句発祥の地」の文字があるように、こどもの日に飾る五月人形は、毎年5月5日に当地で行われる藤森祭の武者行列から来たものとされる。また、「菖蒲」と音が同じ「勝負」に通じるため、古くから勝ち運の信仰があり、スポーツ選手や高校野球チームが必勝祈願に訪れるという。

 その藤森祭の中で行われる、1200年以上続く伝統奉納が「駈馬神事(かけうましんじ)」。奈良時代に早良親王が出陣前に行ったとされる儀式を再現したもので、走る馬上で逆立ちをする、両手を離して筆で文字を書くなどの“技”を披露する。「勝負運」と「馬」。2つのキーワードが結びつき、いつしか藤森神社は「勝運と馬の神社」と認識されるようになった。

 もうひとつ、馬と神社を関連づけるエピソードがあるので紹介しよう。88年の天皇賞(春)を制すなどGI・3勝を挙げ、“白い稲妻”の異名で呼ばれたタマモクロス。同馬が87年の藤森特別を勝ったあとにオーナーが神社を参拝し、翌年の天皇賞を春秋制覇するなど大きく飛躍したことから、競馬にゆかりのある神社として話が広まったともされる。

 境内を歩いてみると、“馬”にまつわるものがたくさん。馬像が置かれているほか、自動販売機には馬が描かれ、絵馬堂には馬主から勝利記念に奉納された競走馬の絵が飾られている。競馬ファン、馬好きにはたまらないスポットといえよう。

 午年となる来年の初詣シーズンには、多くの人出が見込まれる。実際、12年前の午年には、周辺道路が混雑するほどの来社があったという。宮司の藤森長正(ふじのもり・ながまさ)さんは、「どのくらい多くのかたがいらっしゃるか想像は付かないが、例年の2倍、3倍になるのではないか」とし、「道路や駐車場は大変混み合いますので、できる限り公共交通機関を利用して、来社をお願いいたします」と呼びかけた。

(文:中川兼人)