【埼玉】第105回全国高校ラグビー大会は30日、大阪・花園ラグビー場で2回戦があり、県代表の慶応志木が鹿児島実(鹿児島…

 【埼玉】第105回全国高校ラグビー大会は30日、大阪・花園ラグビー場で2回戦があり、県代表の慶応志木が鹿児島実(鹿児島)を31―17で破り、3回戦進出を決めた。昌平は尾道(広島)に14―40で敗れた。慶応志木は、元日にシード校の東福岡(福岡)と対戦する。(宮島昌英)

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 花園初出場の慶応志木が、磨いてきたモールを起点にした攻撃で優位にゲームを進め、目標としていた花園での「年越し」を果たした。

 前半8分、ゴール手前5メートルでセンターの浅野優心主将がタップキックから、ロックの橋本瑛太選手へボールをつなぎ、中央への先制トライを決めた。

 その後はモールを起点にした攻撃で得点を重ね、後半26分には浅野主将が、鹿児島実のタックルを受けながらも走り抜いてトライを決め、31―12と突き放した。慶応志木がモールで押し込む場面では、観客席から「押せ!押せ!」と大きなかけ声が響いた。

 次戦は8強入りをかけた元日の3回戦。7度の優勝を誇る強豪、東福岡(福岡)と対戦する。

 浅野主将は「(東福岡は)なかなか試合できないチーム。自分たちの強みがどこまで通用するか、ひたむきに食い下がって、全力をもって臨みたい」と意気込んだ。

 竹井章監督は、「正月にラグビーできるのは限られた学校しかなく、高校生にとっての大きな目標。選ばれたことに喜びを持ってプレーしてほしい」と語った。(宮島昌英)

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 2年連続6度目の出場で、初めての「花園での年越し」を目指した昌平。花園の「常連校」を前に奮闘するも、夢破れた。

 尾道(広島)は、19年連続20回目の花園出場を誇る。夏合宿で対戦したときは何もできず、100点ほど奪われ完敗した相手だった。

 この日も昌平は、前半7分、11分と連続でトライを許し先制される。だが、粘り強いディフェンスで流れを引き寄せ、前半28分にゴール直前でのラックからプロップの川端幹寛選手が左中間にトライ。後半3分にもゴール直前でのラックからロックの斉藤大也選手がトライを決め、14―14に追いついた。終盤は尾道に4トライを許したが、夏から成長した姿を花園で見せた。

 船戸彰監督は「悔しいです。でも、トライを取ってくれたことは本当に財産。切磋琢磨(せっさたくま)して着々と力を付けてきた。年越しできるかなという気持ちに変えてくれた選手たちでした」と涙を流した。

 フルバックの宮本和弥副主将は「夏合宿で負けたぶん、2回目は絶対に負けないという気持ちが大きかった。十分やりあえる、すごいよいチームになれたと思います」。(宮島昌英)