倒れなかったが、井上の強打に深刻なダメージを負わされていたピカソ(C)Getty Images 人生初の敗北に何を想うか…

倒れなかったが、井上の強打に深刻なダメージを負わされていたピカソ(C)Getty Images
人生初の敗北に何を想うか。現地時間12月27日にサウジアラビア・リヤドで行なわれた世界スーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチで、王者の井上尚弥(大橋)に敗れたアラン・ピカソ(メキシコ)が改めて自らの心境を発信した。
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終わってみれば、下馬評通りの展開だった。試合前から井上の「圧倒的優位」の見方が強まる中で、「ナオヤも倒れることは分かっている。判定であれ、ノックアウトであれ、彼だって負けるんだ」と豪語していたピカソだが、眼前に立ちはだかった“怪物”に打たれた。
試合後に井上が「納得のいく内容ではなかった」と振り返ったように、決定打を打たせなかったピカソはKOされることはなかった。しかし、「158発」という有効打の差が物語るように、反撃に転じる兆しは見せず。終盤は攻勢を強める相手のスピードと技術に圧倒される形となった。
どれだけ圧倒されていたかは、試合中の陣営と本人の会話が如実に示していた。米メディア『Defector』は「ピカソがイノウエに敵わないことは明らかだった。モンスターが幾度も浴びせたボディは特に容赦なく、効果的だった」とした上で、試合中のインターバル中に「ダメだ。ボディがかなり効いてる」と弱音とも取れる言葉を漏らしたピカソに対して、父親でトレーナーのチンゴ氏の返した言葉を伝えている。
「ボクシングは痛みの伴う仕事だ。チンゴ・ピカソは、モンスターにサンドバッグのように打ちのめされた息子の額にキスをし、『いいか! お前はあいつを倒しに行くしかない』と叫んだ。そして、息子はそれを実行した。だが、彼は自滅を余儀なくされた」
総合力で圧倒されたピカソ。試合終了直後こそ、米誌『The Ring Magazine』のフラッシュインタビューで「しっかりと彼に立ち向かい、時には自分が優位に立っている、より強いと感じることさえあった」「敗者で去ることにはなるが、僕自身は勝者だと感じている」と強気な発言を繰り返していた25歳だが、日が経ち、プロキャリア34戦目で初めて喫した敗北を、冷静に振り返ることが出来たようである。
現地時間12月29日に自身のインスタグラムを更新したピカソは、こう綴っている。
「今回は負けてしまった。僕らはチャンピオンになるチャンスも失った。だけど、僕の肺はまだ呼吸し、心臓は力強く鼓動している。だから、これまで以上にトレーニングに励むつもりだ。ナオヤ・イノウエと彼のチーム、そしてボクシング界に心からの敬意を表したい。しばらくして試合を見直したけど、今回は僕のパフォーマンスが明らかに足りていなかった。今後も努力を重ね、次の試合こそ最高のパフォーマンスを発揮することを約束する」
井上に打ち敗れ、茫然自失となったピカソ。彼がここからいかに再起していくかも興味深い。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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