今年1年間、『高校野球ドットコム』では多くの中学野球の現場を訪れ、たくさんの球児たちを取材してきた。その中で、数年後の高…

今年1年間、『高校野球ドットコム』では多くの中学野球の現場を訪れ、たくさんの球児たちを取材してきた。その中で、数年後の高校野球の主役になる可能性を秘めた「次代を担う球児」たちにインタビューを敢行。第5回は、徳島藍住シニアの左腕・吉永 颯大投手だ

 8月に出場したリトルシニアの夏の全国大会・日本選手権大会では、惜しくも初戦で取手シニアの前に敗れたが、それでも高校野球での活躍を十分に期待させるピッチングを見せていた。

 181センチ、72キロと投手らしい体格に、しなやかな腕の振り。スピンの利いた最速132キロのストレートを軸に、全国の強豪・取手シニアと堂々と渡り合った。試合後には、「(戦えたことは)自信になった。今後もストレートを極めていきたい」と語り、さらなる成長に意欲を燃やした。

 高校野球までの準備期間は「しっかり食事を摂って、体重を増やして重みのあるボールを投げたい」とまずは土台作りをしたいと明かす。そのうえで、理想のストレートを追い求めるために、練習から意識を改めるつもりだ。

 「キャッチボールから低く投げることを心がけて、伸びるボールを投げるようにしたいです。またピッチングの時は、キャッチャーが座っている位置よりも、さらに奥へ投げるくらいのつもりで取り組んでいきたいと思います」

 最後の夏、全国の舞台まで駆け上がったが、思うような結果を残せずに悔しい思いをした吉永。「高校では悔しい思いをせずに、活躍出来るように頑張る」と語ったうえで、将来の夢を明かした。

 「高校では甲子園で優勝をして、最終的にはプロ野球に進み、メジャーで活躍出来るようになりたいです。理想は140キロ後半を計測しながらも、回転数が高くて、伸びるようなストレート。イメージは中日・金丸(夢斗)投手のような真っすぐを投げられたらと思っています」

 まだ細身なシルエットだが、投げ込むストレートは十分勢いがあった。これからの高校野球で体に力強さが加わったとき、どれだけのボールを投げ込むのか。こちらの想像を超えるような成長曲線を描き、吉永の姿を甲子園のマウンドで見られる日を心待ちにしたい。