2025年もいよいよ大みそかを迎えました。阪神ファンにとっては忘れがたい1年でした。阪神を取材してきた担当記者が名シーン…
2025年もいよいよ大みそかを迎えました。阪神ファンにとっては忘れがたい1年でした。阪神を取材してきた担当記者が名シーンをピックアップ。ラスト第5回は「感動」編。
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◆「藤川監督の涙」(11月10日、高知市で優勝記念パレード)就任1年目でリーグ優勝を決め、故郷で凱旋(がいせん)パレード。スタート地点であいさつを始めようとしたが「何から話そうかな…」。言葉が出てこず、指揮官の目頭は熱くなっていた。「高知県っていうのは疲れた、自分の羽を休める、新しく復活させてくれるところなんです」。心安らぐ場所で、張り詰めた糸が一瞬切れたのか。リーグ優勝の瞬間にも見せなかった涙だった。【磯綾乃】
◆「湯浅京己、難病からの2年ぶり復活登板 敵地バンテリンにも響いた『おかえり!』」(4月29日中日戦=バンテリンドーム)
国指定難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」からリハビリを続け、約2年ぶりの1軍復帰登板。敵地にもかかわらず、名前がコールされると「おかえり!」と声が響いていた。7回に登板し、2死二塁を招くも板山を遊ゴロに仕留めてピンチ脱出。自らの復帰戦を無失点で飾った。
下半身のしびれなどを引き起こす難病。当初は原因不明の違和感から始まり、24年に手術。それでも症状と付き合いながら、新たなスタイルを確立してのカムバックだった。今季40試合に登板しブルペンを支えた右腕。特に復活戦での無失点投球は、多くのファンに勇気を届けた。【波部俊之介】
◆「ヘルナンデスの家族が試合観戦中に救急搬送」(5月28日、対ヤクルト戦=神宮)
1年目のヘルナンデス内野手の家族が体調不良でスタンドから救急搬送。「6番三塁」でスタメン出場していたが途中交代で病院へ向かった。家族はその後快方へ。家族を救護した阪神ファンの看護師女性は球団の手配で8月27日のDeNA戦(横浜)を観戦。粟井球団社長、藤川監督から謝辞を伝えられた。【伊東大介】
◆「石井大智、頭部直撃からの復帰登板 大歓声の中でゼロ封」(7月1日巨人戦=甲子園)
「ピッチャー石井」のコールに、スタンドは大歓声に包まれた。6月6日のオリックス戦で頭部打球を受け、緊急搬送。そこから25日後の1軍復帰戦だ。1点リードの8回に登板。1死から吉川、増田陸に連打を浴びてピンチを招いた。それでも虎党からの「頑張れ石井」コールに応えるように、中山を一ゴロ、門脇を左飛でピンチ脱出。無失点のカムバックとなった。
今季50試合連続無失点の偉業を成し遂げた石井だが、仮にこの試合で適時打を許していれば到達できていない。淡々と3者凡退で打ち取った試合もあれば、こういった土壇場での登板も何度も重ねてきた。大記録のすごみを改めて感じさせるとともに、ブルペンの支柱となった右腕の帰還は今季の名場面だと感じた。【波部俊之介】
◆「原口文仁と青柳晃洋の記念撮影」(10月2日、対ヤクルト=甲子園)
今季最終戦で引退する原口のセレモニーが行われた。昨年まで所属したヤクルト青柳は1人残って三塁側ベンチで見守った。最後の集合写真に呼ばれた青柳は必死に拒否。原口が自ら迎えに行って、引き入れた。笑顔あふれる印象的なショットとなった。【柏原誠】