<棚橋弘至を愛してま~す 引退連載 5>来年1月4日の新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ド…

<棚橋弘至を愛してま~す 引退連載 5>

来年1月4日の新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」で“エース”棚橋と入れ替わる形でデビューするのが東京五輪柔道金メダリストのウルフアロン(29)だ。初戦でいきなりEVILの持つNEVER無差別級王座に挑むが、どのような形で棚橋からのバトンをつなぐのかにも注目が集まる。

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いよいよウルフアロンのデビューの時が迫ってきた。相手は極悪非道な上に実力も折り紙付きのEVIL。柔道の世界で頂点を極めたとはいえ、簡単にはいかない相手だ。それでもウルフは「正々堂々の真逆にいる方なので、それを考えておけば、おのずと(攻略法は)分かってくると思うんです」と相手の戦い方を想定し、その上で「(EVILがどう戦うかは)何でもいいです。どんな戦い方をしてこようが、僕の戦い方で正々堂々と倒すだけですから」と言い切った。

その1・4東京ドームでは“エース”であり“100年に1人の逸材”の棚橋がリングに別れを告げる。棚橋と練習をともにし、EVIL対策も授かったウルフは「今のこの新日本プロレスが出来上がったのは棚橋さんの力が大きいと、一ファンとしても思ってましたし、その棚橋さんが引退する日に僕がデビューするというところに運命的なものも感じています」と“運命”を口にした。

そして「棚橋さんが今まで培ってきたものをもっともっと新しい形に、良い形にできるように、追求していきたい。プロレスは一つの大きなバトンだと思うので、絶やすことなくいろんな形でつなげていきたいですね」とバトン継承を誓った。

1つだけ“問題”がある。今回の東京ドーム大会はすでにチケット完売で満員札止めとなっている。五輪などで超満員の会場に慣れているかと思いきや、ウルフは「その規模はないですよ。(五輪でも)4万とか入らないです」という。

ウルフは「グランドスラム・パリがどのくらい入ったんだろ? この大会が一番大きかった。フランスで柔道は人気なんで」と言いながらスマホで同大会の観客数を検索。「あれで2万なんだ。じゃあ東京ドームでは結構ちゃんと緊張するかも。右手と右足が一緒に出るかもしれない」と笑顔を見せていた。【千葉修宏】

◆ウルフアロン 1996年(平8)2月25日生まれ、東京・葛飾区出身。米国人の父と日本人の母の間に生まれる。6歳から柔道を始め、千葉・東海大浦安高時代は団体で高校3冠。東海大では15、16年の講道館杯を連覇。4年時の17年に全日本選抜体重別でV2、世界選手権も制した。19年に体重無差別の全日本選手権優勝。21年に東京五輪で優勝し、今年6月に柔道引退を表明し、同月23日には新日本プロレス入団を発表した。現在は練習生の立場だがすでにEVILと乱闘を演じている。181センチ、115キロ。