T・ヘルナンデスは汚名返上の3ランを放った(C)Getty Images 2025年、ワールドシリーズ連覇へ向けて突き進…

T・ヘルナンデスは汚名返上の3ランを放った(C)Getty Images

 2025年、ワールドシリーズ連覇へ向けて突き進んだドジャース。敵地で5-3と勝利したフィリーズとの地区シリーズ第1戦は、まさにドラマチックな展開の連続だった。

【動画】緩慢守備の汚名返上!テオスカーの逆転3ランをチェック

 二刀流としてマウンドに上がった大谷翔平の力投、佐々木朗希の衝撃的なメジャー初セーブ。そして、一人のベテランが見せた鮮やかな「汚名返上」。熱狂の夜を振り返る。

 現地時間10月4日、敵地シチズンズ・バンク・パークで行われたフィリーズとの地区シリーズ第1戦は試合序盤、ドジャースファンは一人の男のプレーに激怒していた。テオスカー・ヘルナンデスだ。

 2回、J.T.リアルミュートが放った右中間への打球に対し、ヘルナンデスはボールを追いかける歩を緩めるような、いわゆる“怠慢守備”をしてしまう。本来なら二塁で止めるべき打球を三塁まで進ませ、結果としてこの回に3失点。

 ドジャース専門メディア『Dodgers Way』は、「全くハッスルしない姿に非難が集中した。より守備の良い外野手なら失点のうち1点は防げたはずだ」と厳しく断じた。

 もしこのまま敗れていれば、ヘルナンデスは間違いなくこの試合の「戦犯」として記憶されただろう。

 一方で、マウンドでは歴史的な光景が繰り広げられていた。先発の大谷翔平は、打者としては4打席連続三振と苦しんだものの、投手としては2回の失点以外はフィリーズ打線を圧倒。6回3失点9奪三振の粘投で勝ち投手の権利を手にする。

 そして9回、クローザーとしてマウンドに上がったのは佐々木朗希だった。メジャー移籍後初となるポストシーズンのマウンドで、圧巻の投球を披露。メジャー初セーブを挙げ、ドジャースの「新守護神」としての第一歩を刻んだ。

 しかし、この試合の主役を最後に奪い去ったのは、序盤にミスを犯したヘルナンデスだった。1点を追う7回、二死一、二塁の好機。打席に立ったヘルナンデスは、失った信頼を取り戻すかのような一振りを放つ。打球は右中間スタンドへと吸い込まれる逆転の3ラン。自らのミスを帳消しにするどころか、チームを勝利へと導く値千金の一発となった。

 同メディアは「彼は敵地の観客を沈黙させただけでなく、ドジャースファンに自らの苦言を撤回させることになった」と、手のひら返しで称賛した。

 守備での脆さと、それを補って余りある打撃の破壊力。25年のテオスカー・ヘルナンデスという選手を象徴するようなこの一戦は、ドジャースが「勝負強さ」で勝ち上がったポストシーズンの象徴的な一幕として、今もファンの心に刻まれている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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