2025年のJ2リーグでは、エポックメーキングな出来事が多かった。「J2の門番」とも言われた水戸ホーリーホックが初めて…
2025年のJ2リーグでは、エポックメーキングな出来事が多かった。「J2の門番」とも言われた水戸ホーリーホックが初めてJ1への扉を開き、J2トップの観客動員数を誇るV・ファーレン長崎もJ1復帰。さらに、ジェフユナイテッド千葉は17年ぶりにJ1の舞台へと戻る。話題豊富なJ2リーグで輝きを放った選手は誰なのか? J1のベストイレブンを選んでもらった屈指のJ通である北條聡にJ2の「サッカー批評版ベスト11」を選出してもらった!
■最多クリーンシートに貢献した守護神
2025シーズンのJ2リーグを彩った珠玉の11人を選んだ。なお、選考するにあたり、昇格プレーオフの活躍も考慮に入れている。それでは、Jリーグの公式データ(J.LEAGUE STATS)も交えつつ、イレブンの顔ぶれを紹介したい。
まず、GKは田中颯(徳島ヴォルティス)だ。徳島のJ2最少失点(24)に貢献した功労者。セーブ率80(GK1位)はミスの少ない安定感を物語る一方、にわかには信じ難いビッグセーブもたびたび披露した。J2最多のクリーンシート数(19)も、この人の活躍なしにはあり得なかった。
次はDF部門。
1人目は鷹啄トラビス(水戸ホーリーホック)だ。優勝した水戸の森直樹監督が大躍進の担い手の1人に名前を挙げたキーパーソン。高さ、強さ、速さに卓越し、地上戦であれ、空中戦であれ、外国籍のアタッカーと互角以上に渡り合うマンパワーは圧巻。ペアを組んだ板倉健太、GK西川幸之介と鉄壁のトライアングルを築いた。
2人目は鈴木大輔(ジェフ千葉)だ。大ベテランの域に達してなお健在のキャプテンが最終ラインを見事に統率。売り物でもある空中戦の強さはもちろん、“野戦”における対人守備の強さが光った。なかでも、鋭い出足で敵の逆襲をことごとく阻んだ昇格プレーオフ決勝は出色の出来栄え。実に17年ぶりとなる千葉のJ1昇格に不可欠の人だった。
3人目は山田奈央(徳島ヴォルティス)だ。総合的な守備力ではJ2随一のCB(センターバック)と言っても差し支えあるまい。3バックの中央から全方位に目を光らせ、危険の芽を摘み取りつつ、ゴール前の対人戦では容易に隙をつくらず、冷徹に立ち回った。本人は得点やアシストがなかった点を課題に挙げたが、それを補って余りある活躍だったと言っていい。
■「1対1」に強く得点力も破格のボランチ
続いてMF部門。
記事前半では1人だけ触れてみたい。それが高嶺朋樹(北海道コンサドーレ札幌)だ。ボランチながら、10得点3アシストは異例の数字。チーム事情から複数のポジションでプレーしたが、いずれも中盤から後ろ。そこからゴール前に現れ、豪快なミドル弾を撃ち放った。むろん、守備面でも大きく貢献し、デュエル勝利数(108)は2位にランク。チームが中位に沈む中、キャプテンとして孤軍奮闘する姿が印象的だった。
記事後半では、MF部門とFW部門の残り6人を発表しよう!