<バドミントン:全日本総合選手権>◇最終日◇30日◇東京・京王アリーナTOKYO◇女子ダブルス決勝志田千陽(28=再春館…

<バドミントン:全日本総合選手権>◇最終日◇30日◇東京・京王アリーナTOKYO◇女子ダブルス決勝

志田千陽(28=再春館製薬所)五十嵐有紗(旧姓東野、29=BIPROGY)組が、結成4カ月目で初優勝を飾った。桜本絢子、広田彩花組に2-1で逆転勝利。志田は前回大会を松山奈未との「シダマツ」ペアで制しており、自身2年連続の日本一。混合ダブルスで渡辺勇大との「ワタガシ」ペアで17年から4連覇した五十嵐は、女子ダブルスでは初のタイトルとなった。ともに五輪銅メダリストの新ペアが、28年ロサンゼルス五輪金メダルへと突き進む。

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相手のシャトルがコート外に落ちると、志田と五十嵐は顔をおさえてコートに倒れ込んだ。志田の瞳からは涙があふれた。「新しい挑戦で新しいペア。絶対に優勝したい気持ちが強くて体が動かなかったけど(五十嵐が)声をかけてくれて勝てて良かった」。五十嵐も〓(順の川が峡の旧字体のツクリ)を赤くしながら「ちい(志田の愛称)がパートナーでなければ、優勝できなかった」と喜んだ。

昨夏のパリ五輪銅メダリストの2人は、さらなる高みを目指してペアを組んだ。志田は松山との女子ダブルスで活躍したが、モチベーションの違いなどもあって今夏の世界選手権後に解消。五十嵐は渡辺との混合ダブルスで五輪2大会連続銅メダルをつかみ、パリ後に女子ダブルスへ転向した。今年9月から本格始動。目標を世界一に定めた。

今大会はこのペアで初となる日本一決定戦。「自分たちにとってきっかけになる大会。絶対に優勝しよう」と誓い合った。この日の決勝は第1ゲーム(G)を20-22で落とした中、第2Gで21-18と奪取。最終第3Gは前半で一時4点差をつけられたが「自信を持とう」と短く声をかけ合って集中した。

それが表れたのが、14-16と2点を追う場面。志田が敵陣奥のライン際へ好ショットを放った。ビデオ判定の末に得点が認められると、主審がさらに1点多くカウント。16-16に追いついた。異例のミスだったが、志田は「自分のプレーに集中しすぎていた」と気にも留めず、五十嵐も「ゾーンに入っていた」とプレーに没頭。2人は集中力を維持し、そこから1点も失わず、連続得点で試合を決めた。

結成4カ月での初タイトル。五十嵐は「世界でも通用するプレーヤーになりたい」とうなずき、志田は「勝ち切れたことを自信にしたい」とほほ笑んだ。金メダルを目指すロサンゼルス五輪まで約2年半。この日本一から、新たなストーリーが始まる。【藤塚大輔】