わざわざ車から降りなくても、買い物ができて便利な「ドライブスルー」。ハンバーガーチェーンなどファストフード店に設置さ…
わざわざ車から降りなくても、買い物ができて便利な「ドライブスルー」。ハンバーガーチェーンなどファストフード店に設置されているイメージが強いが、ドラッグストアや銀行ATMにも存在。競馬とは関連性が薄そうな言葉だが、両者をつなぐ“カギ”が福島競馬場にある。
1997年のこと、福島競馬場内に設置されたのが「ドライブスルー発売所」。現在は「自動車専用発売所」が正式名称となっている。駐車場に車を停め、すぐ目の前にある投票所で馬券を買う流れ。JRAの担当者によれば、「名称を変更した正確な時期は不明だが、お客様が自動車に乗ったまま馬券を購入できるという誤解を避けるために変えた」という。窓から身を乗り出して直接……とはいかないが、駐車場から投票所まで1分足らずなのは便利だろう。
自動車専用発売所があるのは、JRA全10場で福島競馬場だけと珍しいが、なぜ設けられたのだろうか。JRAはダイユウサクが勝った91年の有馬記念をきっかけに挙げる。旧スタンド時代のこと、同日の福島競馬場には約6万人が来場し、近隣の主要国道が終日渋滞する出来事があった。
そこで、周辺道路の渋滞緩和を目的として、翌年の有馬記念の開催前日および当日に「自動車専用発売所」を開設。現在の地下駐車場とは異なり、南側の専用口から入場し、パドック横の発売所まで車を進め、西門から退場する形式をとっていた。93年の有馬記念デーには10万人を超える入場者を記録しており、専用発売所も効果を発揮。その後、97年のスタンド改修時には地下1階に発売所が置かれ、これを当初はドライブスルー発売所と称していた。福島競馬場にしかないレアな設備は、多くの来場者を快適、安全に案内し、同時に交通問題を解決するために生まれたアイディアだったのだ。
自動車専用発売所は現在、競馬場周辺における交通状況の影響を踏まえて、パークウインズ時のみの開設となっている。気になったかたは、場外発売時に利用してみてはいかがだろうか。
◇今年で日本にドライブスルーができて60年!?
正確な記録がなく諸説あるが、日本でのドライブスルーの始まりは1965年とされる。東京都・日本橋の山本海苔店が本社社屋にドライブインを設置したのがきっかけで、同社のホームページにもその旨が載っている。また、日本マクドナルド株式会社のホームページには、77年10月に東京都杉並区の「環八高井戸店」で、日本初の本格的なドライブスルー方式を採用と記載がある。