田中はプロ20年目となる来季に向けて意欲を示している(C)産経新聞社 近鉄OBの佐野慈紀氏が独自の目線で野球界の話題を語…

田中はプロ20年目となる来季に向けて意欲を示している(C)産経新聞社
近鉄OBの佐野慈紀氏が独自の目線で野球界の話題を語る「シゲキ的球論」、年末年始編の今回は日米通算200球を達成した田中将大をクローズアップ。
巨人・田中将大がプロ20年目のシーズンを迎える。2025年シーズンは節目の日米通算200勝を達成、10登板で3勝4敗、防御率は5.00だった。
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近鉄OBの佐野慈紀氏は200勝シーズンを振り返り「今季はうまくゲームを作ることができた。その部分はさすがだなと思いましたね。一方で全盛期のパフォーマンスと比べると、調子の悪い時は打たれてしまう」と総括した。
その上で「来季はローテーションの5番手、6番手というところでしっかりゲームを作ってくれれば、チームにとってはプラスになる」と期待する。
そのための課題を「もっと大胆に投げてもいい」と佐野氏は指摘。
具体的には「ストライクゾーンを広く使い粘り強く投げるのが特徴ですが、もう少し大胆にアグレッシブに投げてもいいと僕は感じます」とコメント。続けて「3球勝負でいくとか、インサイドを攻め続けるとか、初球から5球連続スプリットで攻めてみるとか。あとは間合いをずらすような投球ですね」とベテランの安定したピッチングに攻めの姿勢を求める。
実際に田中の2025年シーズンの200勝までの道のりでは王手をかけてから、足踏みが続いたことも話題となった。慎重に攻めるあまりに球数が多くなってしまったり、勝ち星を逃がしてしまったシーンもあったため、攻守のリズムを盛り立てる「勝てる投球」を摸索していくことになりそうだ。
プロ20年目に突入する田中の真摯に野球に取り組む姿勢は、伸び盛りの若手投手陣が多い現在のチームにとって大きな財産となる。
背番号11の懸命に腕を振る姿に、2026年シーズンも熱い注目が集まりそうだ。
【さの・しげき】
1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。
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